文化庁、「怒り心頭に”達する”」など慣用句の間違った使い方広まるとの調査結果

2006年07月26日 20:45

間違った使い方イメージ[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]が報じたところによると、【文化庁】が全国の16歳以上の男女3652人を対象に慣用句に関する調査を行い2107人から回答が得られたが、その結果「怒り心頭に『発する』」という激しく怒るという意味の慣用句を、4人に3人が間違って「怒り心頭に『達する』」と使っていることが明らかになった。

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これは「日本人の国語に対する意識の変化」を調査するために行ったもので、先の「怒り心頭に発する」という正しい表現を選んだ人は14%。「怒り心頭に達する」を選んだのは74%となった。この誤答は年令によって違いがあるわけではなく、いずれの年代でも正答率は10%台に留まっているという。

「心頭」は「心の中」という意味なので「怒り」はそこから「発する」ものだが、「頭にきた」という表現と「怒り心頭に~」を結びつけて「達する」としてしまうのではないかとしている(※「怒りが限界に達する」あたりも関係するのではないかと当方は思うのだがどうだろうか)。

また他にも

●周囲に明るくにこやかな態度をとるという意味
[正解]「『あいきょう』を振りまく」……44%
[誤答]「『あいそ(う)』を振りまく」……48%

●我慢の限界を超えた怒り
[正解]「腹に据えかねる」……74%
[誤答]「肝に据えかねる」……18%

●はっきりとは言わない
[正解]「言葉を濁す」……67%
[誤答]「口を濁す」……28%(※一部辞書では正解とも)

●目上の人に仕事が終わったあとにかける言葉
[正解]「お疲れさま」……69%
[誤答]「ご苦労さま」……15%

●「お」をつけるか否か
[正解]「お菓子」……73%
[誤答]「おビール」……2%
[誤答]「お靴下」……1%

●同意語を重複して使うなど、間違った用法について「気にならない」人の割合
・「あとで後悔した」……54%
・「元旦の夜」……41%(※元旦は1月1日の朝を指す)
・「一番最後」……51%
・「従来から」……74%(「従来」は「以前から今まで」を指す)
・「白羽の矢が当たった」……35%


などという結果が出ている。

これについて「声に出して読みたい日本語」などの著書で知られる明治大学の斎藤孝教授は、「これはもう本当に危機だと思います。慣用句というのは学校ではあまりやらない。寛容で使われているはずのものだから。そういうものは集中的にやるべきで、聞いて覚えるものだ。そのあたりが弱くなっていると思う」と警告している。

とはいえ当方(不破)も、慣用句だけでなく一般の言い回しも含め、思い違いや勘違いで変な、あるいは間違った用法で記事を書いてしまうことが多々ある。心優しい読者の方々の指摘ではじめて気がついて、あわてて修正することもしばしば。恥ずかしいやら情けないやらありがたいやらで複雑な気分。

斎藤教授の言葉にもあるように、色々な文献を読んだり文化番組や映画を見て、聞いて覚えたいとつくづく思う。


(最終更新:2013/09/17)

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