【更新】アマゾンジャパン、年内にも電子モール(商店街)事業に参入へ
2006年07月26日 12:30
[YOMIURI ONLINE]によるとインターネット書籍販売最大手の『アマゾンジャパン』が、インターネット上のサイトで小売店などに「場所」を貸して商品を販売する「電子モール」「仮想商店街」事業に年内にも参入することが7月25日までに明らかになった。
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アマゾンジャパンはこれまでにも自社サイト内で書籍やCD、家電などを直販している。今回の構想はサイト上に仮想の電子商店街を設けて小売店の窓口を設けて出店をうながすことで、これまでアマゾンが対応してなかった売れ筋の衣料品や食料品なども取り扱うことができるようにする。
このような仕組みはすでに『楽天市場』や【ヤフー】などが導入し、特に楽天市場は国内最大規模の電子商店街を展開している。今後集客能力に長け、顧客の「ツボ」をくすぐるノウハウに秀でているアマゾンがこの分野に参入することでこの業界の勢力図が大きく塗り変わる可能性が出てきた。
今回の「アマゾンジャパンの電子モール事業への参入」は、読売新聞がアマゾンジャパンのジャスパー・チャン社長に行ったインタビューの中で
「(小売店などが)自分たちの商品をアマゾンで販売していく仕組みを導入することを検討している」
と語ったことが情報元となっている。
これまでアマゾンジャパンでは自社サイトでの直販のみの販売形式を行っている。つまり自ら商品を仕入れて商品を確保し、その上でサイト上にて販売するスタイルだ。このため、流行の移り変わりが激しい衣料品や、鮮度が求められる食料品は直販が難しいとして取り扱われていない。
今後アマゾンは仮想商店街事業(電子モール事業)に参入することで、出店者から手数料収入が得られるだけでなく、品揃えが増えサイトの魅力が高まり、これまでの直販商品が相乗的に売れる可能性もある。もちろん利用者にとっても、同じサイト内で購入できる商品が増えるため、利便性が高まる。
既存電子モール事業では楽天市場が販売総額3357億円、ヤフーが1230億円とかなりの規模を誇っているが、アマゾンは直販だけでも売上高が1000億円にのぼるともされている。相乗効果も考慮すると、出店数次第では三強の立場になるのはもちろん、ツートップの地位もおびやかす可能性がある。
なお親会社であるアメリカのアマゾンでは2002年11月から仮想商店街事業を始めている。2006年1月から3月期には、仮想商店街などを通じた販売商品数が全体の3割程度を占めるなど、重要な事業に育ちつつある。
アマゾンでは「この商品を買った人にはこんな商品をお勧めします」や「この商品を買った人はこんな商品も買っています」など、購入データを集計して構築されたデータベースに基づいた購入傾向から導き出された「おすすめ商品」の掲載や、過去に買ったり参照した商品を元におすすめ商品を表示するなど、まさにホテルの「コンシェルジェ(コンシェルジュ)」(フランス語で「案内人」「何でも屋」。元々門番や番人のことを意味し、今ではホテルなどのフロント周りに常駐し、宿泊客の世話をするサービスマンのことを指す)が案内してくれるような心地よいサービスを提供するシステムを持っている。
このシステムが色々なオプション込みで仮想商店街に導入されたら、ますますアマゾンは(スタパ斉藤氏ふうに表現するなら)「強まった」通販サイトになるだろう。色々な意味で楽しみだ。
(最終更新:2013/09/17)
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