『涼宮ハルヒの憂鬱』は同名のライトノベルを原作とするアニメで、最近放送を終え、収録作品が逐次DVD化されている。元々お気軽に読めるライトノベルの作品ということもあり受け入れる層は幅広かったが、それに加えて有名声優陣の起用、アニメ化された際の画質や動きのクオリティの高さ、設定や描写の細かさが多くのアニメファンの支持を受け、大ヒット作品となった。最近までアマゾンのトップセラーをほぼ占領し、上位ランキングで半分以上が『涼宮ハルヒの憂鬱』関連商品で埋め尽くされた現象には、目を疑った人も少なくあるまい。

特に設定や演出の細かさでは、例えば『涼宮ハルヒの憂鬱』公式サイトでもさまざまな仕組みを施して閲覧者に「解けるものなら解いてみな」的な謎かけをしてみたり、普通のアニメなら捨てカットや適当な設定にする部分でも緻密な描写をする(登場人物らが作成しているプログラムが実際のソースコードとして稼動可能なものだった)など、『エヴァンゲリオン』や『ダヴィンチコード』のような、こだわりのあるリアリティが「読者参加型謎解き」作品として受け入れられた向きもある。また、ネットを中心とした広報展開も、俗に言う「濃い」ファンの口コミにプラスとなったようだ。

今回発売される「『涼宮ハルヒの憂鬱』目覚まし時計」に収録される音声は、主役級の女性キャラ3人(涼宮ハルヒ……cv.平野綾、長門有希……cv.芽原実里、朝比奈みくる……cv.後藤邑子)によるもの。それぞれアニメでの性格付けそのままの科白で語りかけてくる。例えば主人公の涼宮ハルヒを選ぶと

と、朝からハイテンションな科白(せりふ)回しで起こされてしまう(笑)。いや、これはこれで味わいがあるものだが。

アニメ放送は終了してしまった『涼宮ハルヒの憂鬱』だが、まだまだ色々な展開でファンを楽しませてくれるに違いない。