後発医薬品の情報提供、医薬品界でも頭を抱える問題に

2006年07月16日 07:00

時節イメージ【薬事日報】によると、7月8・9日に京都で開かれた医薬品情報学会において、後発医薬品(ジェネリック医薬品)の情報を患者にどのように伝えればよいのかという問題について、関係各員からさまざまな意見が出され、論議が交わされた。「国が認めているから大丈夫」という説明では不十分であり、先発薬と後発薬の違いについて薬剤師自身が認識した上で患者に説明すべきだという意見が多数を占めたという。

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後発医薬品(ジェネリック医薬品)とは「開発者の特権である先行独占使用ができる特許が切れた薬について、同じ成分を使って安く提供できる、同等の効果が期待できる医薬品」のこと。コマーシャルなどではあたかも「先発医薬品と後発医薬品はまったく効用も同じ」ようなイメージで報じられている。

しかし実際には先に何度か記事にもしたように、微妙に違うところもあるようだ。詳しくは元記事で確認してほしいが、研究者や薬剤師などからは

・製造方法や添加物が異なり、安定性や吸収性に差があるから、両者は基本的に違うもの
・治療学的な効用同等性が証明されていないから「効き目が同じ」というのはおかしい
・「まったく同じ」ではなく「近い薬」に過ぎない
・プラセボ効果もあるので、事実を伝えるのは難しい
・後発医薬品には品質、成分、副作用に疑問が生じるものも少なくない


などの意見が上がったという。

こちらも以前の記事でも指摘している通り、経営難その他の理由で生産を突然打ち切り、利用者を困惑させるケースも想定できる。例えるのなら後発医薬品は「材料・調理法・調理場所がまったく同じでも、料理人の腕や隠し味、巧みな料理法の違いにより、完成する料理の美味しさは違ってくる」「レシピを読んで料理を作っても、作り手によって味は違う」というところ。医療現場ですら混乱しているのだから、それを利用する患者が不安にならないはずもない。


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(最終更新:2013/08/27)

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