好きな音楽を聴くとホルモンが安定、各種高齢者特有の病気に効果あり
2006年07月15日 12:30
『共同通信』が報じたところによると、好きな音楽を歌ったり聴いたりすると、高齢者の性ホルモンの量が安定する効果があり、認知機能の低下やアルツハイマー病の発病予防に効果が期待できるという研究結果がまとめられた。福井一奈良教育大教授(音楽生理学)らによるもの。
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記事によるとこの研究は奈良県奈良市の老人福祉センターのコーラスグループに参加している人の協力を得て行われた。事前に参加者の好きな曲を調べて、「みかんの花咲く丘」「憧れのハワイ航路」など昔の流行歌を合唱したり、生演奏を鑑賞。さらに童謡にあわせてお手玉を使って身体を動かしたり、月一回二時間これらの活動を行い、唾液中の男性ホルモンと女性ホルモンの量の変化を調べた。
調査結果では、服用している薬などの影響が少ない64歳から83歳の女性36人では、ホルモン量が多い人は減少、少ない人は増加し、一定量に収束する傾向があったという。また心理テストでも、抑うつや不安が緩和していたとのこと。
人間の身体の反応がそれぞれの行動や内部的状況の変化から生じうることを考えれば、「好きな曲を聴く」=「気持ちいい、良い時間を過ごしている」わけで、それが身体にプラスの効果をもたらすのはごく当たり前のことかもしれない。とはいえ、これがホルモン量の安定、しいては認知機能の低下やアルツハイマー病の発病予防に期待がもてるというのは驚かされる。
他にも例えば特定の作家によるクラシック音楽を聴くと気分が高揚するだけでなくさまざまな能力においてプラス効果が期待できるとか、植物に話しかけたり音楽を聞かせると生育が良くなるという話もある。単なる音波、周波数などが与える影響以上の秘密が音楽にはありそうだ。
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