高齢者医療、無医師地区や医療費低い市町村は保険料の減額も

2006年07月11日 07:00

時節イメージ【NIKKEI NeT】などが報じたところによると、【厚生労働省】は2008年度に新設する75歳以上を対象とした高齢者医療制度において、医療費の水準が平均よりも低い市町村の移住者や、病院がない離島やへき地に住むお年寄りの保険料を減額するなどの配慮を行うことを決めた。

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具体的には「医療費水準が平均よりも低い市町村の場合は保険料を2013年度まで6年間減額することを認める」「離島やへき地など医療機関が少ない地域は県内他地域よりずっと引き下げる(最大半減)」という措置が採られる。

新「高齢者医療制度」とは75歳以上の高齢者すべてから保険料を徴収するという、独立型の公的健康保険で、先の通常国会で成立した医療制度改革法に盛り込まれている。75歳以上の老人医療費は国、自治体からの税金が5割、国民健康保険や健康保険組合など保険者からの支援金が4割、高齢者本人の保険料1割でまかなうことになる。運営主体は、都道府県ごとに作る全市町村が参加した「広域連合」。

保険料は医療費の伸びの見込みなどをもとに広域連合が都道府県ごとに、20071年11月ごろまでに決める予定で、厚労省の試算では、保険料は全国平均で月額6200円程度になる。低所得者には、さまざまな減免措置があり、もっとも安い場合には月900円程度になる。

ただし、無医師地区では「病院もないのにどうして保険料ばかり取られるんだ」という批判がでたり「元々保険料が低かったのに新制度で跳ね上がってしまった」という不満に対処するため、今回のような特別措置が採られるようになった。

公的医療費の収支バランスを調整するために設けられた今回の「高齢者医療制度」だが、今後高齢者比率が高まり少子化が進むにつれ、支払われる保険料に反比例して徴収される保険料が減ってくるのは明らか。今回のような事実上の保険料のアップもやむなしといえるだろう。

とはいえ、「無駄使い」をもう少し強制力を持って是正させるなど、「入りを増やす」前に「出る部分を減らす」努力が必要ではないかと思われるのも事実。管理運営側にすれば後者より前者の方が色々と楽なのは分かるのだが……。

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