日銀、短観の発表を受けてゼロ金利解除を検討へ、政府は慎重姿勢

2006年07月04日 07:00

[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]などが報じたところによると【日本銀行(日銀)】は7月3日に発表した短観(企業短期経済観測調査)の発表を受け、来週の金融政策決定会合で「ゼロ金利政策の解除」を検討する方針であることが明らかになった。一方日銀のこの動きに対し政府などからは慎重な対応を求める声が相次いでいる。

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日銀では今回発表した短観で、「景気判断が改善されたこと」「設備投資計画が高い伸びを示したこと」「消費者物価指数が7か月連続してプラスに移行したこと」などから、景気か着実に回復していると判断。来週の金融政策決定会合でゼロ金利政策を解除して金利の引き上げを検討する方針を固めた。ゼロ金利政策を長期間続ければ設備投資が過剰となり、中長期的には景気の安定的回復を阻害する恐れもあるとの考え。

しかしゼロ金利の解除を巡っては安倍官房長官や与謝野金融・経済財政担当大臣が時期早々であると慎重姿勢を崩さないである。このため日銀では、今後のアメリカ経済や株式市場の動向などを見極めた上で判断を下すとしている。

かつてゼロ金利政策を解除した2000年8月以降は、消費税の導入で落ち込んでいた景気もようやく回復の兆しが見えてきたところに冷や水を浴びせられた形となった「実歴」がある。その時は株価も導入解除直後こそ「材料出尽くし」として一進一退の攻防を続けたものの、影響が出始めた10月以降は続落。結果として2003年まで続く株価の大低迷をはじめとするITバブルの崩壊の大要因にもなったとし、解除タイミングの悪さに今現在に至るまで批難を集めている。

今回政府などから慎重意見が多数寄せられているのも、「せっかく景気や株価が持ち直しつつある傾向が見られる昨今、同じような轍を踏ませるつもりか」という思いがあるからなのだろう。ゼロ金利政策解除はいわば劇薬や超油もののスタミナ料理のようなもの。病み上がりの療養中患者にそれらを食べさせるとどうなるかは誰の目にも明らか。2003年の「総悲観ムード」を再度体験させることのないよう、日銀には慎重な判断を願いたいところだ。

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