【更新】電池式の冷暖房服「ウェアラブル冷暖房服」、NPO法人が開発
2006年07月27日 12:30
[YOMIURI ONLINE]によると、NPO法人の【ウェアラブル環境情報ネット推進機構】は身に着けるだけで身体を冷やしたり温めたりできる「ウェアラブル冷暖房服(電子冷暖房ウェア)」を開発し、発表した。8月1日に東京・お台場、6日に銀座の歩行者天国で、高齢者らに試着してもらうイベント「ユニバーサルケープ・プロジェクト2006」を行うという。
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ウェアラブル環境情報ネット推進機構は衣服やめがね、靴などと同様に情報端末を「ウェアラブル」(着られる)にすべくさまざまな研究開発を行っている団体。ハンドフリーの環境を作り上げることで、「便利で役立つ」ものを作り上げようとしている。例えば心電計と通信端末を連動させ、心臓をわずらっている人が街中で発作を起こしても、すぐに心拍数などの異常データが医療機関に送られ、救急車の手配などの対処がなされるという具合だ。
今回開発された「ウェアラブル冷暖房服」も、そのような「役立つウェアラブルアイテム」の一つ。電池式で野外を自由に動き回ることができるというもので、体温調整機能が衰えているお年寄りや、暑さ寒さに対する感覚が低下している難病患者らの熱中症に役立ちそう。
「ウェアラブル冷暖房服」はケープの内側に、パソコンの冷却などでよく使われるペルチェ素子を取り付けて冷暖房の仕組みを実現した。電流を変えることで温度を10度から30度の範囲で変えられるとのことで、今後は体温の変化に応じて装置の温度を制御できるようにする予定だという。作動時間は3時間以上。開発側では上記用途の他に、消防士やタクシードライバーにも役立つのではないかとしている。具体的な写真は参照元にあるので確認してほしいが、ごく普通のジャケットの裏側にパネルやコードが貼り付けられているようなものだ。
着られる冷房服といえば先に【実用的な冷却服「冷やしてMe(みぃ~)」はいかが?】で「冷やしてMe(みぃ~)」を紹介したが、「ウェアラブル冷暖房服」は冷却だけで無く暖房もできることから、幅広い用途が想定され、期待もできる。
ただ気になる点がないわけでもない。ランニングコストや初期費用は(医療・看護分野で使われるなら)ある程度妥協できるが、重さはどうなのだろうか。特に「ウェアラブル冷暖房服」はペルチェ素子を用い、電池を電源に使っているため、重量がかさむのではないかという懸念がある。また、低温やけどに関する考察がなされているのかどうかも要チェック。
発想とそれを実現化するところまではたどり着いたのだから、あとは残された問題をクリアし、まさに「未来の機能服」的な「ウェアラブル冷暖房服」を完成させ、普及にいそしんでほしいものだ。
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