CDやDVDの廃品再生、活用システム確立へ任意団体が協議会設立

2006年07月31日 12:30

CD-ROMイメージ【Mainichi INTERACTIVE】が報じたところによると、CD(コンパクトディスク)やDVD(デジタル多用途ディスク)などの光ディスクの廃品を再生・活用するシステムを関連業界による任意団体が設立する動きが進んでいる。光ディスク製造会社などによる任意団体【CDs21ソリューションズ】が中心となり、「光ディスク・グリーンプロダクトチェーン連絡協議会」を設立し、10月から本格稼動を目指すという(【6月15日に配信されたプレスリリース】)。

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CD-ROMイメージCDは1982年にレコードの代替品として音楽用が登場した後、デジタルデータを大量に記録できることから文章や写真、動画などの保存再生用として、CD-RやCD-ROM、DVDなどの規格が誕生し、今現在にいたっている。個人レベルでも大量データを保存できる便利さやコストパフォーマンスから、登場前後に大容量記憶媒体としてライバル視されていたMOやDATなどを跳ね除け、今では特にパソコン系の記録媒体の主流の位置を占めている。

光ディスク・グリーンプロダクトチェーン連絡協議会によると光ディスクの生産量は全世界で年間200億枚。そのうち2割から3割が日本で使われているとのこと。またディスク(15グラムほど)の原材料は約99%が原油を由来とするナフサ。CD-RWなどリライタブル(複数回の書き込み可能)なものはともかく、半ば使い捨てにされることが多いCDなどの光メディアについて、使用済みのものを破砕し、ディスクやOA機器などに再生する技術はすでに確立されているものの、現実問題として日本国内で再生・資源化する仕組みは無いという。

これは主に費用対効果の悪さを原因とするもので、現在のところ産業廃棄物として光ディスクなどは各企業により海外へ送られて最終処理する方法や焼却処分など様々な方法での個別処理がなされている。

しかし原油価格の高騰でコストパフォーマンス的に再生・資源化が「わりが合う」可能性が見えてきたこと、記録情報の破棄の重要性、そして何より環境保護の面から「光メディアのリサイクルシステムを作り上げ、資源の有効活用やコスト削減を目指そう」という動きが持ち上がり、今回の協議会設立と実働開始になった。

光ディスク・グリーンプロダクトチェーン連絡協議会では当面このリサイクルシステムの対象を、首都圏の法人(企業や事業所)が廃棄するディスクに限定する。専門の処理業者が集荷・分類した上で記録された情報を消去。その上で原料化して再生する。将来は回収網を全国に広げ、さらに個人が捨てる分にも対応する計画。

CDなどの光メディアはこれまでハサミで切り込みを入れたり記録面を傷つけたり専用の機械でデータを読み込めないようにした上で、燃えないごみとして処分するのが一般的だった。しかし原料が石油関連であり、再生できる技術が確立しているのなら、再利用してもらう方が気持ちが良い。

個人ベースでの回収は恐らく電池のように専用の回収ボックスに入れるようなスタイルになると推測される。連絡網の整備や再生工場の採算性の問題など解決しなければならない案件は少なくないが、「もったいない」の精神にのっとり、原油価格が高騰して再生機運が高まっている今のうちにシステムを作り上げてほしいものだ。

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