塩野義製薬(4507)、肥満症治療薬「S-2367」の効果を確認

2006年07月11日 12:30

お薬イメージ【塩野義製薬(4507)】は7月10日、現在アメリカで開発中の抗肥満薬S-2367の試験において、その有効性を示す結果が得られたことを発表した(発表リリース、PDF)。342例を対象として臨床試験を2つの治験を行った結果によるもの。

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S-2367は一日一回経口投与(口から飲む)が可能なもので、低分子のニューロペプタイドYの働きを軽減させる物質である(アンタゴニストという)。このニューロペプタイドYは食欲やエネルギー摂取、消費のバランスの調整に関与する食欲促進伝達分子とされ、おなかが減った時における食欲の促進などに関与している。つまり、S-2367がニューロペプタイドYの働きを減らして、エネルギー摂取や消費のバランスを正常状態に近づける効果があるという。

簡単にまとめると「お腹が減って何かを食べたいとする体内の動きを加速させる物質の働きをS-2367が軽減させるので、あまり食欲がわかなくなり、結果として体重が減る」ということになる。

具体的には食事療法をした後にS-2367を投与した治験、さらに食事療法をしない上での投与をした治験を行った。現在治験結果の詳細について分析中ではあり今後まとまり次第公開するとした上で、速報結果として、体重減少が持続、あるいは有意な体重減少が認められたという。たとえば食事療法を受けた後に行った試験では、平均2.2キログラム(体重の2.5%)の体重減少が認められた。さらに現在のところ、安全性に関して特に大きな問題は認められなかったという。

詳細成果や副作用の有無などについては今後の詳細な解析結果報告を待たねばならないが、ダイエッターには朗報といえるかもしれない。

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