筆頭株主であるユニゾン・キャピタルは【発表リリース】にもある通り、東ハトから製菓事業を譲り受け、生産設備や広告宣伝などへの適切化した上での再投資を行い、経営の建て直しを図ってきた。今件は「7月3日月曜にも発表する」とあり、買収比率も明記されていることから、日経側の先行記事であると推測される。買収額は200億円前後。

さらに東ハトへ37.7％出資している【バンダイナムコホールディングス(7832)】も保有株式の一部を売却する見通しだという。ただしバンナム側では【バンダイ、「クレヨンしんちゃん」に登場するスナック「チョコビ」をそのまま商品化】にもあるように、キャラクタと製菓事業のコラボレーションを色々と模索している最中で、良好な提携関係を維持するため、全株式の売却はないものと思われる。

投資ファンドは再建企業に投資した場合、その企業を(再)上場させることで利益を上げるのが主目的。今回の場合、東ハトを再上場させて資金回収するつもりだったが、早期にそれなりの売却益をあげられる「他社への売却」が利にかなうと判断したようだ。あるいはそれだけ、山崎製パンが提示した条件が良かったのだろう。

山崎製パンの(東ハトとマッチングするスナック)菓子部門となると、グループ会社の【ヤマザキナビスコ】が該当する。すでに製パン分野では国内トップの座にある山崎製パンが、スナック菓子分野でも躍進を果たそうという目的で東ハトを買収するのなら、さまざまなプラス効果がもたらされるだろう。月曜に行われるとされている正式発表の内容に期待したい。