治療費の未払い100億円を突破、病院の経営を圧迫

2006年07月13日 06:00

時節イメージ[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]が報じたところによると、病院で診察を受けた患者が支払いを行わないままになっている治療費が、全国の主な公立病院だけで100億円を突破、5年間で1.5倍に急増していることがNHKの調査で明らかになった。

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今回の調査結果は6月にNHKが独自に行ったもので、これによると263の公立病院において、診察をした後1年以上経っても患者が支払わないままになっている治療費は総額で109億円にのぼるという。これは年々増加傾向にあり、5年前と比べると1.5倍、1病院の平均は4200万円になるとのこと。

未払いの理由について病院側に尋ねたところ、

・生活が苦しい世帯の増加……82%
・医療費の自己負担の増加……60%
・患者の支払い意識の低下……50%


という結果が出た。また未払いの患者に多い傾向としては「入院や高額治療を受ける患者」「保険証を持っていない患者」があげられている。

東京都などのように一部自治体では根本的解決に向けた対策チームを結成するところもあるが、大部分では対策を打ち出せず、病院の経営悪化の要因になっているという。

先に【公立病院の治療代未払い急増中】でもとりあげたように、別機関の調査では2005年3月末の時点で未払い治療代が3300万円だったことから、この1年強で平均額が1000万円近く増えたことになる。また、未払い原因もほぼ変わらない。

治療費を払う余力があるのに「払わなくても別にいいじゃん」「払い損だろ、治療費って」的な考えで未納を続ける不貞の輩には、それこそ一般徴税と同様に督促・延滞金の追加、さらには法的強制力を用いた強制徴収・差押さえなどを実施するべきだろう(先のNHKの報では督促をしたところ「督促したって証拠を出せ、録音してあるんか?」と難癖をつけ、以後連絡そのものが取れなくなったり、居留守を使う例が紹介されていた)。

一方、経済的理由によるものについては、高額療養費制度の改正がすでに行われている。が、今後はアメリカの病院のように医療の負担についてある程度割り切りを持たせるか、あるいは何らかの新しい仕組みを考える必要があるのかもしれない。

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