【更新】三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)、公的資金を完済

2006年06月06日 06:30

株式イメージ[YOMIURI ONLINE]によると【三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)】は6月5日、資本注入を受けていた公的資金を6月9日付けで全額国に完済すると発表した(【発表リリース、PDF】)。3大メガバンク(他には【みずほフィナンシャルグループ(8411)】【三井住友フィナンシャルグループ(8316)】)でははじめて。

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【三菱UFJ(8306)、公的資金を5月中にも完済、3メガ銀行グループでは初】にもあるように、本来5月中に完済する予定だったが、ややずれ込んだ形になる。詳細は先の記事に記載されているが、残っていた公的資金(元本ベースで2974億円)について、国(整理回収機構)が保有する優先株式を普通株式に転換した上で、証券会社を通じて日本国内の投資家向けに売却する。

売り出し価格は1株150万9200円(6月5日の終値は154万円)、売り出し価格総額は約4184億円になる。手数料などを差し引いた4147億円が整理回収機構に入り、売却益は1173億円。なおメガバンクではみずほフィナンシャルグループも7月に公的資金を完済する予定。

簡単に説明すると、完済といっても担保としていた優先株式を引き取って借入金を支払うのではなく、担保としていた優先株式を売却できるように普通株式にした上で、「質流れ品」として売却しても良いとすることで、負債をチャラにしてもらうということ。

もちろんこれは「整理回収機構が保有している株式が一般市場に放出されたとしても株価への影響は最小限で済む」という判断のもとに行われるもの。また同行では同時にオーバーアロットメント(人気が集まった際に株式が追加売却されること)による4万1000株の売り出しも予定しており、こちらの売り出し価格総額は約619億円となる。

今回市場に流れる株式は、整理回収機構によるものだけでも27万7245株。オーバーアロットメントによるものも含めると31万8245株となる。ほぼ一週間強分の出来高の株式が一度に放出されることになるわけで、一時的に売り圧力が強まることは否定できない。

また、借金を返済した三菱UFJフィナンシャル・グループが今後どのような戦略を打ち出していくのか、公的資金という借金を抱えていた時期以上に注意深く見守る必要があるだろう。

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