PwC、日本法人「あらた監査法人」正式設立発表
2006年06月14日 06:30
【NIKKEI NeT】によると先にカネボウの粉飾決算絡みで行政処分を受けた【中央青山監査法人】の海外提携先である【プライスウォーターハウスクーパース(PwC)】は6月13日、日本で新法人の「あらた監査法人」を設立したと正式発表した(【発表リリース、英語】)。中央青山監査法人の一部業務停止命令が施行される7月1日から業務をはじめる。今年中に、法人に出資して経営責任を負うタイプの社員(パートナー)が80人程度になる体制にするという。
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あらた監査法人へは中央青山の社員の一部が9月以降移籍する見通しで、この移籍については中央青山側でも了承している。その一方、あらた監査法人側では当面、海外取引所に上場している日本企業や、大手の外資企業の日本法人の監査など、海外で大きなシェアを持つPwCの日本法人ならではの顧客獲得と監査実務に注力する。もちろん中央青山監査法人が行政処分を受けている間の受け皿的役割も果たす。
現時点では約450人の社員を持つ中央青山監査法人と比べると、あらた監査法人は(予定通り80人ほどがパートナーとなったとしても)その2割程度の規模になる。しかしPwCなどでは今後3年間で大幅に陣容を拡大し、さらなる顧客獲得と事業領域の拡大に努める。この過程で、中央青山監査法人の有力顧客でありPwCから監査を受けている【トヨタ自動車(7203)】や【ソニー(6758)】が、あらた監査法人との契約を行うのかどうかが注目されている。仮にソニーやトヨタが契約すれば、他の大手や中小企業も中央青山監査法人から移動する可能性は低くない。
さらに一説では中央青山監査法人に所属している会計士のうち300人までもがあらた監査法人に移るのではないか、とする話もある。そうなれば、両社が仮に外部から新たに人員を雇うことが無いとすれば、中央青山監査法人とあらた監査法人の規模的な立場はまったく逆転することになる。自社の所属会計士がなしたことであり、また自社内の体質が原因の一つであったとしても、中央青山監査法人からしてみれば頭が痛い問題以上の話であるに違いはない。
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【PwCの日本における新監査法人「あらた監査法人」設立】
【中央青山の所属会計士300人がPwCの日本法人に移籍へ】
(最終更新:2013/08/27)
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