【更新】書店で手書きの宣伝文が注目、売上に影響を与えるカリスマ店員も登場

2006年06月15日 07:00

POPイメージ[YOMIURI ONLINE]によると、書店員が手書きをした本の宣伝文「POP(ポップ)」への注目度が昨今高まりつつあるという。文章やデザイン、文字そのものの表現力がうまく、売上に影響を与えるカリスマ店員も登場、新刊を出版するにあたって賞金つきでPOPを募集する出版社まで登場したとのこと。

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賞金つきのPOP募集を行うのは講談社。児童書の「井上ひさしの子どもにつたえる日本国憲法」を出版するのにあたり、見本小冊子を書店に配布しPOPを店員に描いてもらい、優れた作品を新聞広告や本の帯に使う予定。大賞には10万円、準大賞には5万円の賞金も出る。講談社側では「本への自信を編集からだけではなく店員と共有することが必要」と企画意図を語っているという。

本屋のPOPがセールスをあげた例としては、『白い犬とワルツを』で千葉県習志野市の書店において使われた「何度読んでも肌が粟立ちます」というコピーを出版社側が気に入り、各書店に複製して配り効果をあげた件が説明されている。他にもいくつか成功事例が元記事には語られているが、書店員が描くポップには中立の立場から見た感想が述べられているため、本屋でも目に留まりやすいという。また「カリスマ店員」の中には、「自分の印象や批評ではなく、売るための戦略を考えて書く」とする者もいる。

本来こういったコピーは編集者や所属の営業担当が責をおって考えるものだが、出版社と同様に本のセールスが経営に大きく左右する本屋にしてみれば、少しでも売上が伸ばせるならばと、POPを使うなど手を変え品を変えて売り込もうとするのは当然のこと。特にPOPはその店ならではのオリジナリティと「現場の声の雰囲気」を直に読み取ることができ、手書きの文字は親近感とダイナミズムでお客のハートをつかむ。やる気のある本屋では平積みされた新刊のあちこちに、書店の生の声で説明されたPOPを見受けることができるだろう。

これは何も本屋に限ったことではなく、スーパーなど一般の商店でも同じこと。生鮮品売り場などでカラーマジックにて大きく書かれた商品のPOPを見ると、つい手をとってみたくなるという経験をした人も多いはずだ。

文章のスキル、そして文字の巧さ、デザインセンスはどんなところにでも活用できるという好例だろう。


(最終更新:2013/09/18)

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