アメリカ消費者団体、トランス脂肪酸を使うなとケンタッキーに提訴

2006年06月14日 19:30

ケンタッキー・フライド・チキンイメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると、フライドチキンの老舗【ケンタッキー・フライド・チキン】などを展開するアメリカの外食大手【ヤム・ブランズ】に対して「心臓病などのリスクを高める悪玉脂肪ことトランス脂肪酸を、揚げ油に使うのを止めるように」という訴訟を、アメリカの消費者団体【CSPI】が現地時間の6月12日にワシントン高等裁判所に起こした(【発表リリース、英語】)。

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この「トランス脂肪酸」とは加工植物油などに含まれるもので、先に【アメリカのハンバーガーチェーン「ウェンディーズ」、トランス脂肪酸の含有量をゼロに】でも報じたように、味を良くしたり賞味期限を延ばすため、ファストフードなどの加工食品やクッキー、クラッカーなどに用いられている一方で、コレステロールの上昇作用による心臓病への影響の他に、特定のがんのリスクが増大するという危険性も指摘されている。そして先日アメリカの大手ハンバーガーチェーン店ウェンディーズが、商品からこのトランス脂肪酸の含有量を劇的に減らす方針を明らかにしたばかり。

記事によれば訴えた消費者団体側では「健康によい油に切り替えるか、それが無理なら消費者に健康上のリスクを知らせるべきだ」と主張している。一方ケンタッキー・フライド・チキン側では「食品として安全。必要な情報も提供している。訴訟はきわめて軽薄なものであり、法廷で争う」と反論している。

アメリカやカナダでは店頭販売されている、パッケージ化された食品にはトランス脂肪酸の数値を表記する義務があるが、レストランやファストフード店の商品にはその義務はない。それが今回の提訴の一因でもあるらしい。

なお【CTV.ca】によれば研究結果として、トランス脂肪酸を1日あたり5グラム消費し続けると心臓病のリスクが25%増加する結果が報告されている。記事ではケンタッキーのフライドチキンが18.6グラムものトランス脂肪酸を含むということで「毎日食べたら心臓病のリスクを100%上げるかも」と評している(他の例として、バーガーキングのチキンとフライドポテトは13グラム、ウェンディーのクリスピーチキンとフライドポテトは5.5グラム、マクドナルドのチキンナゲットが1.8グラムとしている)。

すでにウェンディーズが行ったように、トランス脂肪酸をほとんど含まないとうもろこしと大豆による油は存在するし、それを使うことは不可能ではないはず。ただ、鶏肉を油で揚げることが多いケンタッキーとしては、使用している油に何らかの秘伝があるのだろうし、その油を変えるとなればいろいろと問題も生じてくるのだろう。

今後「脱トランス脂肪酸」の動きが他社にも広がるのか、そして日本にも波及するのか、注目したいところだ。

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