【更新】アルツハイマー病への副作用の無い新ワクチン開発へ

2006年06月14日 13:00

時節イメージ[YOMIURI ONLINE]によるとアルツハイマー病を治療する新しいワクチンを[東京都神経科学総合研究所]などの研究チームが開発、効果と安全性についてマウス実験で確認が出来たことが明らかになった。このワクチンを投与することで、アルツハイマー病の原因とされる、たんぱく質の濃への沈着が大幅に減るのと同時に、ワクチン療法で問題視されていた副作用なども見られないという。6月13日付けの【アメリカ科学アカデミー紀要の電子版(The Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America)】に発表された。

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元記事にもあるようにアルツハイマー病は、「ベータアミロイド」というたんぱく質が脳に蓄積し、脳神経細胞の維持に欠かせない他のたんぱく質の働きを阻害するのが原因とされる神経変性疾患。今回開発されたワクチンは、ベータアミロイドを作るDNAを細胞内に取り込んで、体内に抗体を作り出すことにより免疫力を高め、ベータアミロイドの脳への蓄積を阻むというもの。さらに大腸菌の遺伝子から人工的に作ったベクター(運び屋)に、このDNAを組み込み、筋肉注射で体内注入する手法を開発した。

研究所側ではマウス実験でベータアミロイドの沈着が大きく減るという効果的な結果が出たので、今後はサルでの安全性を確認、3年以内に人間での臨床試験を始めたいとしている。

今回のワクチンが果たしてアルツハイマー病の進行を止めるだけのものなのか、進行を遅らせるものなのか、それとも「治す」ものなのかは記事からだけでは読み取れない。とはいえ、効果的でかつ副作用の心配が要らないワクチンともなれば、その可能性のどれかだったとしても患者やその関係者にしてみれば嬉しい話であるに違いない。3年以内に人間での臨床実験開始を目指しているとあるので、実用化が果たせるとしても5年以上はかかるだろうが、一刻も早い進展を望みたいところだ。

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