【更新】イギリスとフランス、航空母艦の共同開発着手で合意
2006年06月13日 06:30
[YOMIURI ONLINE] によるとフランスのシラク大統領は6月9日、パリのエリゼ宮(大統領府)でイギリスのブレア首相と会談し、両国間の軍事協力強化に合意した。その一環として来年2007年から航空母艦(空母)の共同開発に着手することで合意したという。
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記事によると両者は共同声明を発し、その中で政府高官や産業界の代表による作業委員会を設置、軍事協力を発展強化する方法を検討。その中で、両国が実現の可能性を探っている空母の共同開発については、イギリスとフランスだけでなく、ヨーロッパ全体としても重要な計画になるとして、両国の産業界に今年末までに共同開発の具体的計画をまとめあげるよう指示した。
イギリスとフランスといえば、その成り立ちから歴史的に相反する立場にあり、第一次大戦前後以降の「同じヨーロッパの一員」としての意識を持った後も心情的には相容れない心境を持っている。軍の共同開発においても、特にフランス側が唯我独尊的な考えから、「NATOなどの軍事同盟は結ぶけど兵器は独自で開発する」という状況が多かった。
経済的理由や社会情勢の変化があるにしても、軍事の面でイギリスとフランスが互いに手を結び開発するのに同意することは、意外と珍しいことである。ただ、軍の兵器の開発は多国が参加した場合、力関係が均等に近いと、両者の利害関係がぶつかりあい、うまくいかない場合が多い。今回の場合もその可能性が否定できず、今後の展開に注目が集まるところ。
なお空母についてはイギリスはフォークランド紛争でも活躍したインヴィシブル級軽空母を2隻、フランスはヘリ空母を1隻、アメリカ海軍以外では唯一の原子力空母シャルル・ド・ゴール、そして写真のクレマンソー級1隻が解体待ちの状態にある。
大型空母を何隻も常に稼動状態においておけるのは、鼻血が出るほどお金に余裕があるアメリカくらいなものだ。
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