ケン・ミレニアムの森田氏、ライブドアと村上ファンドを語る

2006年06月07日 20:50

株式イメージ【asahi.com】において、投資ソフトと各種情報提供会社ケン・ミレニアムの森田謙一氏による、先日逮捕された「村上ファンド」(『村上ファンド(www.maconsulting.co.jp)』などによる投資ファンド)の元代表村上世彰氏とライブドア元社長の堀江貴文氏への見解と、それを受けての株式市場への展開の分析が掲載された。なかなか興味深い内容を含んでいるので、ここで簡単にまとめてお伝えする。

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森田氏は過去に堀江氏との面会を断っている経験を持つとのことだが、森田氏はその理由として「堀江氏に人間性がない」と思ったからだとしてる。そしてIT企業で人間性をもっているのは[ソフトバンク(9984)]の孫氏だけで、他の経営者は単なる経営者に過ぎず人間性に秀でるところがないから会いたくないと述べている。孫氏への評価としては

昔、ヤフーで儲けた時はただのラッキーマンと思っていましたが、その後の行動を見れば、孫氏は夢見る正義感の強い少年の心を持ち続けている人のように感じられます


とまで称えている。

そして森田氏はIT企業に限らず経営者が求めるべき姿は

(1)社会的責任を持つ……社会に還元する、税金を納める
(2)社会的存在価値を持つ……会社が存在することで存在しないときよりもよくなるような会社を作り出す
(3)(1)と(2)を果たすために……儲ける

としている。そして(1)と(2)を満たせば自然と(3)は適う、「お金は後からついてくる」と結論付けている。その上で、今の多くの企業は(3)を第一目的とする経営姿勢をとっており、これはアメリカ流の「経営者の株主責任」が誤解された結果だと述べている(詳しくは原文参照のこと)。

その上で森田氏は村上氏の戦略姿勢である「企業に余っているお金があれば株主に還元しろ」「目先の株価が上昇するように戦略を取れ」というスタイルは、アメリカ流の解釈を違えた結果であり、本当の意味での「物言う株主」とは違うと断じている。孫氏の兵法における「五動」を例にあげているが、当方(不破)はむしろ武田信玄も用いた「風林火山」を例に挙げておきたい。

つまり企業にとってはたとえ余剰金があっても「動かざるごと山の如し」の姿勢を採ることも必要なのに、それこそ村上氏の「イケイケどんどん」的な戦略では短期決戦ならともかく、企業がまずあるべき姿「継続性」を果たすことはできないのである(森田氏はここで「情報戦で勝つ確率が高くなるまでは動かず、高くなった時に一気に動くことが常勝の秘訣ということですが、これは企業の事業戦略でも同じです」と解説している)。

中長期的な投資戦略に役立つ言が色々と含まれているような論調だが、森田氏は堀江氏・村上氏について次のようにまとめている。これには驚愕、あるいは賛否両論あるだろうから、あえてコメントはせずそのまま抜粋しておく。

彼の弟子と言われていた堀江氏があれだけ日本経済と日本の投資家に迷惑をかけたのも『社会的責任と存在価値を意識しない生き方』をしたからです。そして、その二つを意識しないで成功した人の中で、長く成功し続けた人はおりません。つまり、堀江氏は村上氏の間違った手法を勉強した一人と言えます。

日本の業界のトップ人や官僚のトップ人は、堀江氏や村上氏のような人を絶対に許しません。法律に違反しなければなんでもよいという風潮は、各業界のトップが一番恐れる社会です。社会は法律によって規制されますが、法律はアバウトなものであり、細かい国民の行動は『慣習とか常識』という方法で管理しています。

したがって、この為政者の管理方法を崩壊させる人が出てくれば、彼らは必死につぶします。つまり、特権は彼らの既得権益あり、一般人には絶対与えません。

過去にも株式市場では何度もこのような事が繰り返されており、村上氏や堀江氏は特別の人ではありません。


すでに村上氏の記者会見場での発言と、その前後の関係者や当局の発表、情報などを見比べてみると様々な差異が見受けられる。誰が真実を「語り」誰が自分に都合の良いことを「騙って」いるのか、今後の調査や捜査の進展と共に明らかになっていくことだろう。

ちなみに元記事では昨今の相場について「基本的には買い場面だが、十分に下がった銘柄、例えばライブドアショックの時の安値近辺まで下落している銘柄を選ぶとよいだろう」としている。果てさて、今は買い時なのか、それともさらに下げる展開の序章に過ぎないのか。信用取組やトピックスをそれぞれ見ると、別々の見解が見受けられ、一概にどれが正しいのかが判断しかねるのが頭の痛い所。反転したのを見極められるまで、キャッシュポジションを高めておくのが得策かもしれないが……。投資は自己判断・自己責任、というところか。

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