【更新】村上ファンドからの資金引き上げの動き加速

2006年06月07日 07:00

株式イメージ[YOMIURI ONLINE]によると「村上ファンド」([M&Aコンサルティング]などによる投資ファンド)の元代表村上世彰容疑者の逮捕を受けて、「村上ファンド」に資金運用を委託している企業や企業年金基金などの間で、投資契約を解約して資金を引き上げる動きが出始めているという。約4000億円にのぼるといわれている村上ファンドの運用資金がどこまで減るのか、運用できるほどの資金を維持できるのかに注目が集まっている。

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記事によると【農林中央金庫】は村上ファンドに数十億円を運用委託しているとみられるが、すでに契約を解除して資金を引き上げる方向で検討に入った。また、村上ファンドの中央母体であるMACアセットマネジメントに資本金45%を出資していた【オリックス(8591)】は先日その資本提携を解消したが(【村上ファンド、突然の国内廃業。シンガポールに拠点を移し日本の規制の対象外に】)、百数十億円もの運用委託資金についても、引き上げる公算が大きいと見られている。

【KDDI(9433)】の企業年金基金も2001年7月に契約を結んでいるが、最近になって村上ファンドの創業当初の運用方針が変わったことなどを理由に今年4月の段階で、すでに契約を打ち切っているという。

元記事での具体的社名を挙げての大型契約先は以上になるが、村上ファンドへ投資資金を出しているのは内外の機関投資家約100社であるとのこと。そしてその運用委託の解約期日は6月と12月の年2回設定されている。が、今回の事態を受けて通常の解約期日を待たずに解約実施も行えるようにしている。

村上氏本人は「投資資金の流出が1000億円程度になるかもしれない」と記者会見で語っていた。しかし一度解約の流れが加速すると「運用資金の減少」「運用効率の悪化」「魅力の減退」「運用資金の引き上げ・減少」という、デフレスパイラル的な状況に陥る可能性もある。また、少なくとも形式上は村上氏自身が現場から身を引くことで、村上ファンドから個人の魅力が失われることも運用資金減少の可能性を高めている。

村上氏個人のカリスマ性云々は仕方ないにしても、元々村上ファンドは1999年創設時から現在までの約7年間で数十倍にもその運転資金を拡充してきている。一時的な運転資金減少は仕方ないものの、本当にブレーンやスタッフが優秀なら、この荒波も乗り切り、再び好成績を上げ、規模を拡大することだろう。

ただ、[共同通信]などが報じているように、村上ファンド側では資金運用を受託している機関投資家に対して運用継続を切に要請しているという。村上氏の後を引きついだ丸木強代表取締役の手腕に注目が集まるところだ。

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