ちょっと気になることば、メロンパンと「カリモフ(かりもふ)」

2006年06月24日 23:59

カリモフ(かりもふ)イメージ数日前から頭に残る、ちょっと気になる言い回しがある。それが「カリモフ(かりもふ)」だ。最初は「なんでこんな言葉が気になるのか」と記憶をたどっても分からず、いざ「カリモフ」を検索エンジンで調べてみてもウズベキスタンの大統領しか出てこない。ロシア系の人の名前が何で気になるのか……と思いつつ、最新号の『電撃大王』を読み返して、パっと一発で解決した。

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「カリモフ(かりもふ)」とは、何の事はない、『メロンパン』を食べる描写のことだったのだ。詳しく説明すると、同誌で連載中の小説を原作に持つ漫画『灼眼のシャナ』に登場する主人公の女の子「シャナ」が、好物のメロンパンを食べるようす・仕草から生まれた言葉。実際彼女がメロンパンを食べるシーンでは擬音として「カリカリ」「モフモフ」という表記が使われている。

カリモフ(かりもふ)、電撃大王9月号付録イメージ元々メロンパンはその周囲を包み込むクッキー状の部分と、それに内包されるほわほわしたパンの部分から構成される。メロンパンを口にすることで、まずクッキー部分の「カリッ」という感触が歯に伝わり、続いて中の柔らかなパンが口に含まれることで「モフッ」と優しい味わいが楽しめる。二つの食感を一度に楽しめるという、メロンパンはなんとも贅沢なパンに他ならないのだ。そしてまさに「カリモフ」は、その偉大なるメロンパンを愛でるためだけに存在することばといえるだろう。こんな素晴らしい、実に巧みな言い回しに遭遇したのは久々なこと。

個人的にはメロンパンの美味しさ、優しさを表現するかのような平仮名表記「かりもふ」の方が好きなのだが、公式(!?)の記述はカット(電撃大王8月号より)にもあるように「カリモフ」というカタカナ表記。そこで今記事では並列表記とさせてもらっている※。

「灼眼のシャナ」では勝気で時として女の子らしさも見せるという、今流行りの「ツンデレ」系(ただしツンの部分が非常に大きい)キャラとして描かれているシャナ。だがメロンパンを前にした時だけは別で、ごく普通の女の子のように口にほおばる。彼女が食事のシーンで食べているのは、ほとんどの場合メロンパン。

また、メロンパンへは常人以上のこだわりを見せる。彼女にしてみれば「果実入りのメロンパン」は邪道らしい。漫画での彼女は(悠二とはもう一人の主人公)

悠二(あるメロンパンを手に取り)「これは? ホンモノのメロン果汁入りだけど」
シャナ「却下」
悠二「なんでさ。ちょっと高めだし、美味いかもしれないだろ」
シャナ「メロンパンは網目の焼型が付いているから『メロン』なの!
    メロン味なんてナンセンスである以上に邪道だわ!」


と論じるくらいのメロンパンフリークである。だからこそ、メロンパンを食べる時の仕草「カリモフ(かりもふ)」が印象的であり、頭に残っていたのかもしれない。

【「ちゃんぽん」+「ハンバーガー」=「ちゃんぽんバーガー」!?】でも少々触れたが、人間の味覚・食感は二つの相反するものを同時に感じた時に、その意外性から通常では感じ得ない「美味(うま)し」感を得ることがある。もちろんそのバランス感覚がズレた組み合わせは悲劇を生むだけだ。その意味では、メロンパンにおける「カリカリ」という堅めの歯ごたえと、「もふっ」といった包み込むような優しい舌触りを同時に楽しめるところこそが、メロンパンの最大の特徴であるといえるのだろう。逆に、だからこそ「カリモフ(かりもふ)」はメロンパンを食べる時の描写にベストマッチしていると考えられる。

ファミリーマートメロンパンイメージメロンパンは菓子パンの中でも定番で、しかも人気のある商品。コンビニでもちょくちょくメロンパンのキャンペーンを実施したり、新商品が世に送り出されている。例えば[ファミリーマート(8028)]では今年3月からオリジナルパンシリーズに、新タイプのメロンパン3種を追加している(【発表リリース】)し、【メロンパンコレクションとして専用のページ】もある。

漫画と完全にタイアップしたパンといえば、週刊少年サンデーで連載中の『焼きたて!!ジャぱん』で、スポンサー【山崎製パン(2212)】が漫画内に登場するアイディアパンを実際に製品化して【ローソン(2651)】などで販売し、好評を博している。あるいは「カリモフ(かりもふ)」という言い回しが今まで以上に世に広まれば、「灼眼のシャナ」とメロンパンを連動させた(例えばメロンパンのセールスでシャナなどを登場させるとか)企画も登場する……可能性はゼロとはいえない。いやむしろしてほしい。

ともあれ、7月21日発売の電撃大王では付録として、この「メロンパンカリモフ」バージョンのシェナフィギュアがついてくるという。同作品のファンはもちろん、メロンパン愛好家も「メロン大好きなシンボル」として注目、かもしれない。


※さらに調査を続けたところ、『灼眼のシャナDVD版』ではその一部に「カリもふ」という表記が使われている(特典の仮想ラジオ番組のタイトルが「カリもふメロンパン!」)。「かりかりっ」よりは「カリカリッ」の方が堅さをより的確に表しているような気もするが、やはり個人的には「かりもふ」を推したいし、漫画表記に準じると「カリモフ」ということになるのだろう。

※追記:
【アキバblog】によると、電撃大王9月号は東京秋葉原でも山積み状態で発売され、前号よりも入荷数が多かった模様。当方も入手できたので近日中にお披露目予定。かりもふかりもふ。

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(最終更新:2013/09/18)

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