「牛肉検査で何が見つかっても予定通り輸入再開しないと大制裁」アメリカで対日制裁決議

2006年06月24日 18:00

時節イメージ【YOMIURI ONLINE】によるとアメリカの上院歳出委員会は6月22日、【日米間で牛肉輸入再開問題合意、早ければ7月末から】でも報じたようにアメリカ産牛肉の輸入再開に向けた合意を為しプロセスを開始した日本に対し、今夏中にアメリカ産牛肉の輸入を再開しない場合は、日本製品に年間31億4000万ドルもの制裁関税を課すべきだとする決議案を採択した。法的拘束力は無いが、訪米予定の小泉首相に対する圧力の一環であるのは間違いないと分析されている。

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これと前後して上院の財務委員会委員長で、肉牛生産地のアイオワ州選出のグラスリー上院財政委員長も「科学的な調査に基づいて日本が輸入を再開するまで圧力をかけ続ける」と断じている。さらに業界団体の【全米肉牛生産者協会(NCBA)】のマイク・ジョン(Mike John)会長も「日本は信頼できない」とし、上院に提出されている「8月末までに輸入が再開されない場合には制裁関税を課す」とする法案を全面的に支持すると表明している。

これらの「査定の過程で何があっても絶対に8月末までに輸入を再開しろ、問題があっても輸入しろったらしろって言っているだろうが」的なアメリカの姿勢には中川農林水産大臣をはじめ日本側も反発を強めており、「日本の調査団がこれから出発するという時期に、アメリカの議員が輸入再開の期限を区切った法案を出すのはナンセンス」だとコメントしている([このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています])。

儲け口が増えるかどうかの瀬戸際ということもあるのだろうが、第三者から見れば首を傾げざるを得ないような行動を平気で正論化するのも、ロビー活動が活発なアメリカだからこそのものだろう。かつての東芝のCOCOM事件のように、後になって笑いものになるようなことになっても「知ったことではない」というところなのだろうか。

そもそも問題があるかどうかを確かめるための査定なのに、その査定で問題がないということを前提として話を進めるのは「これから卒業試験を行うけど、あらかじめ試験をクリアしたものとして卒業旅行のスケジュールを組んだのだから、絶対合格させろ」と担当教授に詰め寄っているようなものだ。

それだけ査察される内容に自信があるのなら話は別。しかしそのような体制なら、今年頭に発覚した事態は無かったはずなのだが……

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