「投資立国化で経済成長を維持」経済産業省が通商白書で語る

2006年06月24日 12:45

株式イメージ【経済産業省】は6月22日、日本の少子高齢化が進む中で経済成長を続けるためには、アジア諸国で企業買収を行うなど海外への直接投資を拡大し、その利益を成長の原動力とする「投資立国」を目指すべきだという通商白書をまとめ発表した。

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「通商白書」では日本の今後について、少子高齢化がさらに進み労働力、そして個人消費が減退し経済成長が低迷する一方、中国やインドなどのアジア各国や、ロシア、ブラジルなどで高い経済成長が望めると予測している。その上で、日本はこれらの近隣諸国への投資を拡大し、その利益を持って自国の経済成長の原動力とする「投資立国」へ移行すべきだとしている。

その一方現状を分析し、大規模な企業買収などの観点において先進国であるアメリカやイギリスと比べると規模が小さく、利益率も低いと断じている。さらに、これらの点を見据えた上でアジア各国への投資をはじめとし、直接投資の規模を拡大する必要があると提言している。

通産白書は概要のレベルでも68ページに渡るぼう大なもので、一通り読むのにも非常に苦労するもの。とはいえ、そもそも調査を重ねて研究しこういうレポートを製作し提言するのも主業務の一つとしている経済産業省の手によるものだけに、読み応えのある内容になっている。これらの提言が政策に活かされるかどうかは今後の政府の方針次第だが、目を通しておいて損はないだろう。

もっとも単に他国へ資金だけ注入して利ざやを稼ぐというだけでは、バブル時代の「マネーモンキー」という言葉や、世界史におけるカルタゴの末路のように、結局投入した資金も水の泡になりかねない。得た資金を再投入して利益を拡大するのはもちろん重要だが、その資金を元に「地盤固め」をすることも忘れてはならないだろう。

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