新エネルギーとして期待が高まるバイオエタノールの大規模実証実験、沖縄で始まる

2006年06月22日 12:30

時節イメージ[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]の報によると政府は石油に代わる新しいエネルギーとして注目を集めている「バイオエタノール」の普及を目指すため、安全性や経済性を調べる大規模実証実験を沖縄県の宮古島で行うことになった。宮古島はバイオエタノールの原材料の産地として有名。

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宮古島のE3燃料製造設備イメージ「バイオエタノール」とはサトウキビやトウモロコシなど植物を使って作られるエタノール(エチル・アルコール)のことで、環境にもやさしい新型燃料、と言われている。ブラジルではこのエタノールで走る車が全体の15%にものぼる。ガソリンに混ぜて車の燃料としても使え、混ぜる割合が3%以下なら現行の車でもつかえることから、石油の代替エネルギーとして注目を集めている。

政府の実証実験計画では精製施設を宮古島に新たに設けて「バイオエタノール」の生産量を年間700キロリットルの規模にまで増やし、同時に島内のすべてのガソリンスタンドで「バイオエタノール」を混ぜたガソリンを給油できるように設備を整える。将来は島内の車2万台すべてでこの「バイオエタノール混みのガソリン(バイオエタノール混合ガソリン:E3)」を使い、安全性や燃費などについて詳しく調べる。

さらに那覇市内で6月20日記者会見に望んだ二階俊博経済産業相は、バイオエタノールだけでなく風力や波力などの新エネルギーの普及を目的とした「新エネルギーパーク」を沖縄を含む全国10カ所に整備する考えも示した。2007年度の概算要求に事業費を盛り込む方針だという。

バイオエタノールについては前々から原材料の生産地沖縄を中心に研究開発が進められていたが、特に今年に入って原油高の問題と、テレビ東京系の経済番組【ガイアの夜明け】で取り上げられてから注目を集めるようになっている。この番組では【アサヒビール(2502)】の実証実験を題材として取り上げ、通常の2倍以上の収穫が出来る新しいサトウキビ「モンスターケーン」を開発、砂糖とエタノールを同時に作るという「一挙両得」なビジネスモデルを模索している。最終的な製造コストは1リットルあたり30円とのこと(【アサヒビールの関連レポートその1】【その2】【その3】)。

また、エンジニアリング会社の大手【日揮(1963)】でも6月20日、自動車燃料用バイオエタノールの製造や販売事業を実施するため、アメリカのアルケノール社(Arkenol, Inc)と事業開発に関する基本協定を締結している(【発表リリース】)。事業の総費用は50億円強。2007年初頭に事業会社を設立して設備建設を開始、2009年には生産を開始する予定。

政府、アルコール関連業界、そして自動車業界の3サイドから、石油に代わるエネルギーの一つとなりうる「バイオエタノール」への取り組みが急速に進みそうである。

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