日銀福井総裁、村上ファンドでの収益と個別銘柄保有などを発表

2006年06月21日 06:30

株式イメージ【NIKKEI NeT】などが報じたところによると、日本銀行(日銀)の福井俊彦総裁は6月20日、村上ファンドに出資した1000万円について、運用益を福利で運用している結果、前年度末時点で投資残高が2231万円にふくらんだと明らかにした。また、今年5月末時点で個人として保有する株式の銘柄5銘柄を公表した。

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具体的な5銘柄とその保有株式数は、【商船三井(9104)】と[新日鉄(5401)]が1万株ずつ、【キッコーマン(2801)】【富士通(6702)】【三井不動産(8801)】が5000株ずつ。すでに6月15日の段階で福井総裁は、民間の立場にいた1998年から2003年3月の間に富士通・商船三井・キッコーマンの社外取締役に就き、株主責任を負う意味で最小限の株式を保有していたことを語っている。

日銀の現在の内部服務規程では「株式などの取得または譲渡および所得などに関し報告しなければならない」としているが、総裁が民間時代の株式をそのまま持ち続けていること自体はこの内規に抵触はしない(……とあるが、その株式を保有している間に得た「配当」は報告しているのだろうか)。

福井総裁は保有する株式について「売買しないということで事実上凍結してきたが、形の上ではそうなっていない」とし、「早急に(信託することなどで)凍結措置をしたい」とし、さらに自らの月給を半年間6か月返上したいとの考えを示している。

先の固有銘柄にしても現在の株価で資産総額は3000万強。保有枚数からしても、主張している通り「株主として責任を果たすための保有」の意味合いが強いのだろう。日銀総裁としての年収が5000万円超であることを考えれば、村上ファンドの運用益とあわせ年収分くらいの「投資」で、その座とその後の名誉を失いかねるというようなリスクを背負うのは、考えにくいと思われる。

だがその一方、裁判官や銀行員と同様に、なぜ(日本国内の基準では)日銀総裁の立場としての給料が高いのかをもう一度再考する必要があるだろう。誇り高き、そして公正明大な姿勢が必要不可欠であり、「李下に冠を正さず」でなければならない。その意味では、慎重さが欠けていたと指摘されても仕方が無いのではないだろうか。

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