相場予測第二弾、ブラックマンデー前後と現在の株価動向の近似性

2006年06月20日 20:25

株式イメージ先に【今後の相場展開をTOPIXから予想する……日経平均は1万3000円台後半まで、そこを抜けると1万2000円台へ】でTOPIXの動向から日経平均において少なくとも一度近々に1万3000円台までは落ちるのではないか、とした株価動向予測の第二弾。今度は日経平均株価そのものについて、比較的新しい過去の動きと比較した上での予想をしてみることにする。ただし今回は、自分の考えを端的にまとめてくれたサイトを見つけたので、そこの話も絡めて。

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そのサイトとは【夕凪通信】。ここの6月18日の話で、先日上場を果たした【フィスコ(3807)】の岡崎氏の発言として次のようなものがあったという。

「バブル直前のブラックマンデー※1の頃の株価推移と、最近の株価推移が良く似ている」


日銀の金利関係の状況(ブラックマンデー当時も金利引き上げの話はあったが株価の急落で影響が大きくなるとし、タイミングが遅れた)もまさに似通っている。

夕凪通信ではExcelを元に1986年7月から1988年3月までと、2005年1月以降の月足によるチャートを掲載し、その形の類似性を検証した上で、「高値から20%ほどの調整があった点でも似ている。同じような動きを示すなら、もう一か月の我慢」と結論付けている。

早速このデータを元に、自分が使用しているイー・トレード証券のチャート作成機能を用いて検証してみた(こんなとき普通はヤフーのチャート機能を使うのだが、ヤフーでは1990年までのデータしか収録されていない)。

月足でみた2つの期間の日経平均動向と今後の予測
月足でみた2つの期間の日経平均動向と今後の予測

上がブラックマンデー前後の、下が2004年6月以降の日経平均月足。似たような推移を示している横軸が並ぶように月単位で横にずらし、上下で比較しやすいようにしてみた。下のグラフの薄いチャートで「?」マークがあるのは、仮に上のグラフをそのまま下にずらして動きを予測するとこのようなものになるのではないか、というビジュアル。出来高も比較できるように、出来高グラフも併記してみた。

縦軸、つまり日経平均の値そのものの尺が違うのでそのまま同じということはいえないが、相対的な形での値動きは確かに似ていなくもない。

諸条件やイベント(市場動向に影響を与えるさまざまな事件や状況の変化)を考慮すると、同じような値動きをすると断言はできない※2。それでも市場参加者がこの「チャートの形」を意識して売買をすることになれば、それなりに(ややなだらかではあるが)似た形の動きを見せる可能性は十分に考えられる。ただ、ブラックマンデーの時と比べると、出来高の相対的減少幅が多少少ないのが気になる。

結論として、かつてのブラックマンデー前後と同じような相場展開をするのなら、7月8月くらいまでは軟調が続きもう一押しの可能性もある。だが夏以降はアクも抜け、再び上昇を開始、日経平均で2万円前後も夢ではない、ということになるのだろうか。果たして夏までに反転をしてくれるのか、ここ一、二か月が正念場といえるだろう。

……先の、TOPIXを元にした推測とのあわせ技で考えれば(戦争などの突発的なイベントがない限り)、


「夏までに一度押し目として日経平均で1万3000円台をつけるがその後は少なくとも年末までは堅調に推移。直近の最高値1万7500円台を超える」


ということになるのだろうか。まぁ、当たれば当たったで嬉しいし、外れても(この場合は夏までの調整・押し目などお構いなしに爆騰することになるから)それはそれで嬉しい話なのだが。


※1ブラックマンデー:現地時間1987年10月19日月曜日に起きた大暴落のこと。ニューヨーク証券取引所において平均株価が、かつて世界恐慌の引き金となった1929年10月29日木曜日の「ブラックサーズデイ」の下げ幅を上回る、508ドル(22.6%)も下がり大騒ぎとなった。さまざまな伏線はあったが、直接の原因はその当時流行りだした「プログラム売り」による損切りの連鎖反応にあったとされている。

東京株式市場でも当然その影響は現れ、3836円48銭(14.9%)の下げを記録している。もっとも日本の場合翌日に2037.32円(13.24%)も上げて半ば下げを取り戻しているが。

※2イベントを考慮すると:直近では半島の動向、さらには中東情勢などきな臭い話が続いている。冷戦が続いていたブラックマンデー前後とカオス化した国際情勢下にある現在では、状況設定がまったく異なるとも考えられる。またネット証券の普及と情報伝達スピードの大きさも、過去には無かった要因として付加されることを考慮する必要があるだろう。

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