不正なテストをなくすテストを日本テスト学会が基準作成中
2006年06月19日 12:30
【asahi.com】によると【日本テスト学会】という団体によって、テスト(試験)そのものに基準を作って不公平を無くせないかというテスト(試み)が進んでいるという。テスト自身にミスや恣意的な設定があり、公正さに欠ける場合が少なからず存在するからだ。
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これは3年前にテストを研究する大学教授や大手進学校、【教育測定研究所】らが作った団体で、昨年には基本条項「開発と頒布」「実施と採点」など4段階に分けてそれぞれの守るべきルールや注意すべきポイントを設定した。テストというと学力テストをまず頭に思い浮かぶが、団体が想定しているテストには仕事の適性を推し量ったり心理状態を調べるテストも含まれる。来年にはテストの種類ごとに具体的な指標を作り、「ガイドライン」を作り上げるという。
経済産業省ではこのガイドライン策定に肯定的。「試験品質の指標として妥当と認められる」とし、国家試験の新しいシステム作りの際に参考とするもよう。
記事によると欧米ではすでにこのような「テストをテストする機関や研究者」が大勢おり、テストの公正さを目指す体制が作られている。日本テスト学会では、日本でもこのようなシステムの整備を作り上げたいとしている。
なお、この「テスト作成のためのガイドラインの前提となる基本条項」については現在【公開され意見が求められている】。テストがテストであるためのテストという、まるで早口言葉かマトリョーシカのような話だが、公正明大が前提条件であるはずのテストがそうでない場合、迷惑をこうむるのは多くの善意な人たち。性善説を信じたくはあるが、それでもケアレスミスはありうる。このような「テストのテスト」的な考え方も必要だろう。
とはいえ、【四季報データを有効に活用する、データノウハウ本の売れ筋を紹介】でも紹介したように、いまやガイドブックを説明する解説本が日常茶飯事的に登場し、さらにその解説本をやさしく読み解くためのハンドブックすら存在する昨今。不公平なテストをなくすためのテストはもちろん、そのテストの不公正をなくすためのテスト、つまり「不公正なテスト」をなくすためのテストにおいて、不公正をなくすためのテストという、禅問答だか早口言葉だかマトリョーシカだかわからないようなものの登場もありうるかもしれない。
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