四季報データを有効に活用する、データノウハウ本の売れ筋を紹介

2006年06月18日 18:00

株式イメージ先日6月15日に最新号が発売された、『会社四季報』。通常は単に「四季報」と呼ばれ、個人投資家にとっては『日経会社情報』以上にバイブル的存在として崇め奉られている。四季報に掲載されているコメントや分析を元に売買する投資家も少なからずおり、その影響からか「四季報相場」などという言葉も存在するほど。先週後半の上げ相場の一因には「四季報が影響しているのでは」とささやかれる一面もあったくらいだ。

スポンサードリンク

さてその「四季報」だが、いつものようにアマゾンで「四季報」と入力し最新刊のデータを検索したところ、なぜか売れている順のトップに来たのは最新刊ではなく、その四季報を用いてデータ分析などを行う「解析書」のたぐいだった。これには正直驚いた。つまり読者としては四季報そのものももちろんだが、それと同じ、あるいはそれ以上に「バイブルたる四季報をどうやって有効活用し投資行動に役立てるか」のノウハウを知りたがっている、ということなのだろう。

そこで今回は、「四季報」検索で上位表示される何冊かを紹介してみることにしよう。

●週1回株スクリーニングで資産10倍をめざす本
「会社四季報」のデータを収録した『会社四季報CD-ROM』の使い方を解説した本。データ満載の「会社四季報CD-ROM」は使いこなせれば無敵のスクリーニングツールとなりえるのだが、その域に達するまでが難しい。今書はそれを手助けするためのガイドブック・マニュアル本として位置づけられている。スクリーニングの仕方を優しく解説した本、とあり、これだけ売れているのは逆に考えると「CD-ROM」版の説明が初心者には向いていないのがうかがえる。

とはいえ、スクリーニングそのものの知識が不足していると、説明そのものの意味が分からないというオマヌケなことにも成りかねない。あるいはCD-ROMのガイドブックたるこの本の、さらにガイドブック的な位置づけの書籍が必要なのかもしれない。

●サラリーマンしながら株で月収4000万円稼ぐ会社四季報で儲ける売買法 
投資歴13年、今やブログでも大人気とされる筆者が語る、四季報を元にした含蓄本。目新しいことはあまり記載されていないが、自分の経験を元に心構えなどを「サラリーマン投資家」向けに述べたもの。下落相場を何度と無く体験している本人の語りは、四季報と共に歴史的な重みで読者に知識を与えてくれるだろう。

とはいえ「成功者の体験談」的意味合いが強い本であるのも事実。あまりにもキャッチーなタイトルが気になるが、「四季報を使った投資テクニックをダイレクトに知りたいのに」という人には向かないかもしれない。投資系読み物と割り切った方がよいだろう。

●IT・ネット業界地図 2006 
IT業界やネット業界の勢力図がオールカラーで描かれている大型版の書籍。ブログやSNS、ICタグ、次世代DVDなど最新技術分野におけるカテゴリーもきちんと収録されている。四季報による各種データ分析はもちろん、企業分析では国内の企業に留まるところなく、海外情報も盛り込んでいる。読み物としてもコラム群も投資へのヒントを与えてくれる材料となるだろう。

IT関連銘柄は瞬発力と爆発力の大きさや将来性、最近相次いで上場していることなどから注目が集まっているが、同時に状況変化の早さや新情報が滝のように流れ込んでくることから、イメージ的な全体像の把握が難しいのも事実。投資判断の材料にはもちろん、業界全体の状況分析などにも使えるはずだ。

●株式投資に役立つ『会社四季報』の使い方
「四季報」検索では第四番目の位置にあるが、今記事の主旨にはもっともマッチしているたろう一冊。四季報の読みこなし方を四季報編集部自らが解説してくれるというもの。具体的には会社四季報の読み方を丁寧に解説、さらにそのデータをどのように投資に活かすかについて実践的なアドバイスをしてくれている。

「四季報」≒「株式投資のデータ」ということから、実質的には株式投資におけるデータの読み方、分析の仕方の技術本としての受け止め方もできる。会計などの予備知識が必要なため、それ系の初心者向けガイドブックが必要になるが、それを差し引いてもファンダメンタルに重きを置く個人投資家には「鬼に金棒」的な一冊、なのかもしれない。


今回はとりあえず4冊ほど、「四季報」検索で上位表示される冊子を紹介してみた。四季報そのものはすでに不動の地位を占めているものの、その四季報を解説する本は山ほど出て、その人気を奪い合っているさまがうかがいしれる。

最終的にはいつもの言い回し「投資は自己判断で」ということになるのだが、その自己判断を確かなものとするため、四季報や、その四季報を有効活用するためのガイドブックに力を借りるのも悪くはないだろう。


(最終更新:2013/09/18)

Related Posts Plugin for WordPress, Blogger...

スポンサードリンク



 


 
(C)JGNN||このサイトについて|サイトマップ|お問い合わせ