突然腹痛や下痢が襲う「過敏性腸症候群」が子どもにも広まる

2006年06月17日 19:30

時節イメージ何の病因もないのに突然腹痛に襲われたり下痢や便秘の症状が発し、営業のサラリーマンの外回りや通勤時の大きな負担となる「過敏性腸症候群」。通勤時の駅のトイレが満員になる原因の一つでもある。この過敏性腸症候群が最近小中学生を中心とした子どもの間にも広まり、日常生活に支障をきたすだけでなく、不登校や引きこもりの原因にもなっているという(参照:[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています])。

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ブスコパンイメージ過敏性腸症候群(IBS:Irritable Bowel Syndrome)は精神的ストレスなどが引き金となり、大腸の機能に障害が起こる病気。症状は人それぞれだが、激しい下痢や便秘、腹部の痛みや不快感が一定期間続く。その一方で腸そのものには異常が見つからない。そのため「消化管の心身症」ともいわれ、潜在的患者も含めると人口の10~15%もの患者が存在するという。

よくストレスがたまると「胃に穴が開く」「胃が痛い」と表現するが(ちなみに酷なストレスを受けると本当に胃酸の働きで急激に穴が開く場合もある)、胃と同じく腸もストレスの影響を受けやすい。このことから、ストレスで自律神経のバランスが崩れると、腸の運動が不安定になることで過敏性腸症候群が発症するものと思われている。

「通勤時間時に駅のトイレが満員になる」という例をあげたが、この過敏性腸症候群によって各駅停車の電車にしか乗れない人や、知人と外食、外出すらもできないという人も出てきているという。

スルーラックBBイメージ元記事ではこの過敏性腸症候群が小中学生にもまん延しつつあるとし、いくつかの例を挙げている。そして小学校の場合は「頻繁にトイレにいくことがいじめの対象になる」こともあるので、余計にストレスが溜まり、病状が悪化しやすくなる一方、他の病気との区別がつきにくいという困った状況でもあるという。また、似たような症状を示していても、実は大腸がんや潰よう性大腸炎など思い病気の可能性もあり、自己判断も禁物とのこと。

最近では「ブスコパン(収縮を抑える薬)」や「スルーラックBB(整腸剤)」など、過敏性腸症候群向けの市販薬も発売されるようになっている。とはいえ「たかが頻繁な便意」とたかをくくり薬などで抑えることなく、お腹の不調が続く場合には早めに医療機関で診察を受けた方がよいだろう。

しかし「ストレスが原因と思われる過敏性腸症候群」が小中学生ら子どもの間にも広まってきたということは、それだけ子どもにかかるストレスが増加していることを表しているのだろうか。それともストレスへの抵抗力が弱まっているのだろうか。あるいはその両方なのかもしれない。


(最終更新:2013/09/03)

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