道交法改正に伴う駐禁摘発増加でニーズ急増の交通違反保険に金融庁がストップ
2006年06月16日 07:00
【asahi.com】によると【金融庁】は、交通違反の反則金を補てんする「保険」について、今年4月に改正された保険業法の「公序良俗規定」に触れる可能性があるとして、一部の業者に対し指導を始めた。今月6月から道路交通法が改正され駐車違反の取り締まりが強化された関係で、加入者が急増しているこの「保険」に官庁側がストップをかけた形になる。
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記事によるとこの「交通違反反則金補てん保険」(ライセンス保険)のひとつを担う会社の一つの【ある会社】の場合、道交法改正にあわせた保険設定をしたのではなく、1980年代からこのタイプの保険を販売している。加入者は400万人を突破していると記載されている。
会社のサイト上での説明によると、契約金は一年間6000円(他に入会金2000円)。放置駐車違反や赤信号の無視など、軽微な違反で「青キップ」を切られた場合、何度でも補償される。なお赤キップによるものは補償対象外で、当然違反点数も補償されることは無い。元記事によれば道交法改正施行後申し込みが急増し、これまでの10倍以上もの申し込みがあった加盟店も出てきたという。
だが「違反者のペナルティとして存在する反則金を違反者に事実上負担させないことになり、反則金の目的が妨げられる」とし、警察当局では反発を強めていた。今回4月からの保険業法改正で、これまで保険業法の枠組みに該当しなかったこの「交通違反反則金補てん保険」も原則適用対象となり、同時に「公の秩序又は善良の風俗を害する行為を助長し、又は誘発するおそれ」がある場合は、事業者の保険業を行える「少額短期保険業者」としての登録を認めない規定の適用可能性もあわせ、金融庁側が「指導説明」したという。
要は「法律が変わったので現行のままだとライセンス保険は継続できませんよ」とのお達しが下ったことになる。
なおこの類の保険は上記の例以外にも多数存在するようだが、金融庁では実態をつかめていないという。そして保険内容の改善を指導し、それがなされない場合は事業者としての登録拒否という形で対応するしかないとしている。
事故でも反則金でもドライバーにしてみれば「損失」という面では違いがなく、その考え方に基づいて「保険」を作り出すという発想は悪くなかった。だが、その「損失」を軽くする「保険」が創られた場合、社会通念上・公序良俗上の観点から困るところが出てくることへの配慮が足りなかったように見受けられる。
ライセンス保険会社が今回の「指導説明」に、どのような形で対応するのか、多くのドライバーが注目するに違いない。
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