村上ファンド、阪神(9043)株式のTOBに所有全株式で応じる方針

2006年06月17日 17:30

株式イメージ『NIKKEI NeT』によると村上世彰氏が率いていた投資ファンド「村上ファンド」(『村上ファンド(www.maconsulting.co.jp)』など)は6月16日、現在【阪急ホールディングス(9042)】が行っている【阪神電鉄(9043)】株式の公開買付(TOB)に応じて、保有株式のほぼすべてを売却する方針を明らかにした。TOBの申し込み日最終日にあたる6月19日に正式に申し込むという。これにより阪急による阪神のTOBは成立し、6月29日の株主総会での承認を経て、10月1日には経営統合が成り「阪急阪神ホールディングス」が誕生することになる。

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すでに村上ファンド側では阪急によるTOBに対し、成立するべく応募する方針を表明していたが、その一方で影響力を保持できる範囲での継続保有の可能性もあった。元記事によれば村上ファンド側は「臨時株主総会などが開かれた場合に、出席するためのごくわずかな株式を手元に残す可能性はあるが、事実上、全株を応募する」と述べたという。またそのために、複数口座で分散保有していた阪神株式をまとめるなどの手続に入っているとのこと。

これは「村上ファンドの解約が相次いでいるため、投資家の解約要求に応じるのに必要な現金を用意するため」という切実な問題の他に、「現状をかんがみるに阪神の株価がTOBの930円を割り込み続けており(6月16日終値で899円)、これ以上保有していてもさらなる利益を得る可能性は低くなった」ことが売却の判断を確定させたといえる。取得金額は平均で1株700円弱。売却額は1800億円にも及び、結果として450億円を超える利益を得ることになる。

なおこのTOBに応じない阪神株主に対しては、阪神1に対して阪急1.4の株式が割り当てられることになる(【阪急(9042)、阪神(9043)の公開買付け発表、買取価格は930円。最終的に阪神を完全子会社化へ】)。

戦後初の、そして大規模な大手私鉄同士の経営統合となる今回のTOBは、村上ファンドの動向など経済史でも語り伝えられることになるだろう。願わくば経営統合が結果としてよい方向で進み、「色々あったけど、良い経営統合でしたね」とのちの世で語られるべく、両社経営陣には全力を尽くしてほしいものである。

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