三井住友海上火災(8752)、不払い問題で業務停止命令へ。五味長官はこれを現段階では否定

2006年06月19日 20:45

株式イメージ【金融庁、損保ジャパン(8755)に業務停止命令2週間から1か月】などで報じたように保険会社の不当な保険金不払い問題が大きな問題になっているが、【asahi.com】をはじめ複数の報道機関が報じたところによれば、【金融庁】は今週中にも損害保険会社大手の【三井住友海上火災保険(8752)】に対し、やはり不払いの問題で一部業務停止命令を出す方針を固めた。一方19日夕方の段階では五味広文金融庁長官は「(現在においては)業務停止命令を決めた事実はない」と否定している(【参照:ロイター】)。

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三井住友海上火災では昨年2005年の段階で保険金の不払い問題が発覚し、金融庁から業務改善命令を受けている(【発表リリース一覧ページ】)。99%の案件について調査した段階で未払い件数は2万4817件と発表していたが、その後「契約者の意思を十分確認せずに受け取りを辞退したとみなした」契約がさらに3000件ほども見つかったという。

この3000件について当初三井住友海上火災側では「いまさら払われても経理処理が面倒だ、と法人顧客が言っている」などの理由で不払い件数に含めていなかった。しかし再確認した結果、客側が支払いを求めたケースもあったという。

さらに医療保険分野で健康情報の告知義務に違反したとして不当に保険金を支払わなかったり、さらにはお客の名前の印鑑を勝手に作って契約を更新したなどの例もあった。金融庁はこれらの事実を把握し、お客からの苦情対応も含めて内部管理に重大な問題があったと認識し、今回の業務停止命令方針を固めたものと思われる。

今報道は19日付けの日経新聞夕刊が第一報だが、先のロイター伝にもよるとおり、現在のところ公式発表ではない。この動きが事実であるなら、今週中には新たな動き(正式発表など)があるだろう。

「もしものために」というわらにもすがる思いで契約した保険なのに、業績やいい加減な処理でいざという時になって「払いません」とされたのでは、保険契約者にしてみればたまったものではない。それだけで済めば良いが、保険業界全体への不信感にもつながる可能性もある。ひとときの利益を優先して不当なことをすると、結局自分自身に返ってくるということを、不当な不払いをしている保険会社は肌身に感じるべきなのかもしれない。

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