【更新】すかいらーく(8180)、MBOで株式の非公開化へ 日本国内では最大規模のMBO

2006年06月09日 06:30

株式イメージ外食産業最大手の【すかいらーく(8180)】は6月8日、同社の経営陣による自社の買収(MBO:management buy-out)を行うことで株式を非公開にすることを明らかにした。6月8日付け日経新聞朝刊が「すっぱ抜いた」ことで一時関係各社が一度は否定したが、同日場がひけたあとにすかいらーくをはじめとする各社が正式に発表した([関連発表リリース1、PDF][関連発表リリース2、PDF][関連発表リリース3、PDF])。

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リリースなどによるとすかいらーくでは、創業者の横川竟会長をはじめとする経営陣が【野村ホールディングス(8604)】などからも出資を受けて受け皿会社を設立。その受け皿会社を用いてすかいらーくの株式を公開買付で取得して、最終的に株式を完全子会社化・非公開にする方針。買収見積り額は1811億8200万円から2718億8300万円。日本国内のMBOでは過去最大の規模となる。

「すかいらーく」は、ファミリーレストランの「ガスト」や「バーミヤン」など全国におよそ4400もの店舗を展開する国内最大のレストランチェーン。いずれかの店舗も見たことが一度も無い人は恐らくいないだろう。だが競争の激化や少子高齢化で経営環境は厳しさを増しているだけに、株価に左右されずに事業の見直しを進められる体制を整える目的があるものとみられる。さらに株式を非公開にすることで表向きは「多くの株主の意見を取り入れつつ社内体質の再構築を断行のは難しい」とする問題をクリアし「大胆な改革を行い、新業態の開発や企業買収にも取り組んでいく」とする、その実「敵対的な企業買収を予防する」狙いがあるものと思われる。

なお今回のMBO発表により、すかいらーく銘柄は東証の監理ポストに割り当てられたため、日経株価指数300・日経500種平均株価の構成銘柄から除外された(6月9日に除外実施)。代わりに日経300には【ワコールホールディングス(3591)】、日経500種平均には【東邦亜鉛(5707)】が6月13日にも割り当てられることになる。

なおすかいらーくには【小僧寿し本部(9973)】【テスコ(4226)】など上場している子会社もあるが、それらについては上場は継続させる方針とのこと。また上場廃止に伴い、優待や中間配当を廃止することを決定している。

魅力的な優待や身近な産業であることからすかいらーくには個人投資家による株主も多い。これらの投資家を切り捨ててまで体制改革を断行するというのだから、どこまでそれを実現し「有言実行」を果たすのか、じっくりと見定めて行きたいところだ。その評価は(もしされるとすれば、だが)将来における再上場の際に下されることだろう。

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