日米間で牛肉輸入再開問題合意、早ければ7月末から

2006年06月21日 19:45

牛肉イメージ[このページ(nhk.or.jp)は掲載が終了しています]によると、今年の1月20日に危険部位の発見によって輸入が停止されたアメリカ産牛肉の輸入再開問題について、日本とアメリカの両政府は6月21日、アメリカ国内の食肉処理施設に日本側が事前査察を行って安全性を確認することなどを条件に、輸入を再開することで合意した。プロセスが順調に進めば、早ければ7月末からアメリカ産牛肉が日本国内に再び流通することになる。

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今件についてはアメリカ側が、日本側の事前調査査察団の受け入れなどで譲歩をした。その一方、仮に輸入再開後に(以前の1月のような)問題、例えば輸入された牛肉にBSE(牛海綿状脳症)を含みうる特定危険部位が混入されているというような事態が発生した場合の処理について、日本側が「今回と同じように全輸入停止処分」を求めたのに対し、アメリカ側は「それは厳しすぎる。問題のあった施設からの輸入のみ差し止めを」と求め、両国間の対立はなかなか解決しなかった。結局「明確な基準は設けず、おきた問題の程度でその都度判断して決定する」ということで合意に達したという。

この合意により、日本側ではアメリカの食肉処理施設35か所に対し6月24日から派遣団を送り、一か月ほどかけて調査を行うことになる。そして問題がなければ7月末からアメリカ産牛肉が再び日本国内に出回る見通しとなった。

今回の合意と輸入再開の見通しが経ったことについて、牛丼チェーン店の対応は先の5月に【アメリカ産牛肉輸入再開に向けて「すき家」は当面使用しない、「吉野家」は2か月後に販売再開】で報じた通り。すき家のゼンショー(7550)は当分使用せず、【吉野家(9861)】は限定販売からだが使用して牛丼販売再開を決めている。また【松屋フーズ(9887)】などは様子見状態。その他外食チェーン店なども、牛タン業者など一部は諸手を挙げて歓迎しているが、多くは状況を見極めるところが多い。

消費者側や消費者団体、食品安全管理を行う団体の意見もほぼ同じで、「アメリカ側の調査がどこまで信頼できるのかが問題」という点に注目が集まっている。アメリカ側の調査が十分信頼できるのなら問題はないが、常に一度そのような話を受けて輸入してみたら二か月も経たずに大胆な形でルール違反が見つかったので、信用して良いのか疑心暗鬼状態にある。一方アメリカはアメリカで、特に食肉業者(とそれに後押しされた議員)から、「一施設のミスで全輸入を止めるのは酷だ」とする反発が根強い。

両国それぞれの意見の対立も、要は「アメリカの検査体制が万全で自他共にグウのネも出ないような」ものであれば問題はないと思うのだがどうだろうか。そのような体制を作り上げたら、それこそ胸をはってアメリカは日本に対し「これなら問題はないのでどんどん輸入して下さいな」と言うだけの資格はあると思うのだが。

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