消費者金融大手7社が「ストップ! 借りすぎ」キャンペーン6月10日から実施

2006年06月10日 07:00

「ストップ! 借りすぎ」キャンペーンイメージ[武富士(8564)][アコム(8572)][プロミス(8574)][アイフル(8515)][三洋信販(8573)][CFJ][GEコンシューマー・ファイナンス]の消費者金融大手7社は6月9日、テレビ広告を中心とした「ストップ! 借りすぎ」キャンペーンを6月10日から実施すると発表した(【発表リリース、PDF】)。今年頭から特に強まっている消費者金融への風当たりの強さ、特にアイフルへの行政処分やグレーゾーン問題などで窮地に追いやられている消費者金融側が、「努力」を示すことで健全なイメージのアピールと金利の現行水準維持を狙う効果を期待しているようだ。

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「ストップ! 借りすぎ」キャンペーンイメージリリースによれば今回のキャンペーンは「多重債務問題等、資金需要者に関わる諸問題の予防と、計画的な利用のための啓発を目的」としている。具体的には6月10日から9月中旬までの3か月間に、啓蒙テレビCMを東京・大阪・名古屋・北海道・福岡で月100本放映。コップから水が次第にこぼれ出す映像を流したうえで「無理な借り入れは、家計を破たんさせる原因となります」とのテロップを出す。さらに番組提供(EX系列土曜日19時で6月17日から)や新聞雑誌、交通広告を行う。その他に、啓蒙活動などのリーフレットやポスターを制作、配布、掲示なども行う予定。

消費者金融では現在各種情勢から広告展開を縮小せざるを得ない状況にある。また、風当たりが強く、積極的に自らの事業をアピールできない。一方、消費者金融の特性上、自らの存在と事業内容を定期的に、積極的に告知していかないと事業の存続維持そのものが難しい(営業行為といえばティッシュ配り以外は広告くらいしかできないからだ)。

また、グレーゾーン問題については政府内では出資法の29.2%ではなく利息制限法の20.0%に一本化する方向で話がまとまりつつある。これは消費者金融側にしてみれば利益の大幅ダウンだけでなく、ビジネスモデルそのものの変更すら余儀なくされるかもしれないという大問題に他ならない。

今回のキャンペーンは自浄機能を持っているという消費者金融業界の訴えや啓蒙活動という大義名分はもちろんだが、それ以外にも「ダイレクトな広告以外の手法で自らの存在を訴えかける」という苦肉の策、さらにはグレーゾーン問題において「これだけ私たちは努力をしているのだから、現状の出資法29.2%の存続をお願いします」という声を反映する意味があるのだろう。


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(最終更新:2013/08/27)

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