任天堂(7974)、株主総会で定款変更議案否決
2006年06月29日 19:30
[任天堂(7974)]は6月29日本日開催された株主総会において、上程した5議案のうち「定款変更の件」について重要議案として可決に必要な3分の2以上の賛成が得られず、可決できなかったことを発表した(【発表リリース】)。定款変更の内容には、取締役会決議で剰余金の配当が可能になる件や、電子公告などの変更要件が含まれていた。
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リリースでは否決されたことについて「一部の機関投資家の皆様に、配当方針など当社の経営方針が十分にご理解いただけなかったことと受けとめ、今後、当社の経営方針をさらにご理解いただけるよう努めたうえで、次に開催いたします株主総会において、改めて上程し、審議をお願いしたいと考えております」と解説している。ちなみにこれまでの定款では、余剰金の分配は株主総会で決議されることになっている。
今回の議案否決は任天堂にとっても想定外の出来事だったようだ。日本国内では今回の会社法施行で、余剰金の分配内容を取締役会で決めることができるようになったものの、まだ慣れていないこともあり、特に配当を重視する機関投資家の警戒感もあったのだろう。今後真摯な態度を採り、投資家に信用される方策を続ければ、きっと3分の2以上の賛成は得られるはずだ。
また今回の否決は、考え方を変えてみれば「重要案件は過半数ではなく3分の2以上の賛成を必要とする。つまりそれだけ慎重をきすべきである」という商法の主旨が有効であったことを証明していることにもなる。その意味でも注目すべき一件といえるだろう。
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