総務省、6月9日に最大2000万人に対して情報セキュリティー対策の重要性を訴えるメールを配信
2006年06月03日 06:30
【総務省】は6月2日、インターネットの情報セキュリティ対策の重要性を訴える電子メールを、主要インターネット接続サービス会社の利用者すべてに対し6月9日付けで一斉配信することを発表した(【発表概要ページ】)。概算では最大で総計2000万人に送ることになる。
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かの「小泉内閣メールマガジン」ですら最盛期で登録者が200万人強だったが、日本政府が特定の広報活動で、(各プロバイダが間に入って配信するとはいえ)これだけ多数の人に電子メールを一斉送信するのは今回が初めて。「ネットの安全対策はネットで知らせるのが最も効果的」と判断した。
メールには【総務省ホームページ】と【国民のための情報セキュリティサイト】の2か所のURLを掲載し、このページで総務大臣の竹中平蔵氏による「ソフトウェアの更新(最新のセキュリティパッチの適用)」「ウイルス対策サービス・ソフトの導入」「パーソナルファイアーウォールの利用」といった3大基本原則を守るよう訴える映像を確認することができるという。また、情報セキュリティ対策に関するお願いなどの文章も合わせてメール内に掲載される。
電子メールは【社団法人日本インターネットプロバイダー協会】の協会及び協会会員の各社それぞれに加入しているユーザーに対して配信される。
要は「政府の依頼によって主要プロバイダが自分の顧客に対し政府広報のページ紹介のための宣伝メールを配信する」ということなのだが、その配信先の合計は各種報道機関の概算によれば概算で最高2000万人にも及ぶという。Winnyなどによる情報漏えいがまさに日刊ペースでニュースになるなど、情報セキュリティ対策の重要性は国家レベルでのものであり、啓蒙の大切さは誰もが理解・納得できる。
とはいえ、理由がどれだけ正当性を持つものであっても、国が率先して「スパムメールまがい」の行為をするのはいかがなものだろうか。スパムメールは送り手にしてみれば、どんな内容でも「相手に必ず役に立つ」という信念のもと、送られるもの。その観点からだけで見れば、ちまたにはびこるスパムメールも、今回配信される予定の「情報セキュリティ啓蒙メール」もさほどの違いも無い。
内容の公共性とスパムメールの問題は、天秤にかけてもっと慎重に検討し、その上で今回のような「同時多発的メール送信」を行うべきだろう。
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