この「戻って録音」機能は、本体内に内蔵されたDRAM(読み書き可能なメモリ)に会話を常に一時的だが記憶することで、利用者の「戻って録音」機能操作により、内蔵のフラッシュメモリに取り込んで再生するというもの。もちろん通常の電話にあるような、ボタンを押した後の会話を録音する機能「今から録音」もある。

シャープではこの「戻って録音」機能について、電話に関するトラブルが多発している昨今、怪しい内容の電話がかかって来た時に「不審だ」と思ったら録音ボタンを押すことで、その前後の会話をさかのぼって記録を取ることができるとして、その効果への期待を表している。具体的にはこの録音内容を直接不審な電話の相手に聞かせたり、家族や知人などの第三者との通話中に再生し、相談するなどの使い方を想定しているとのこと。

ボイスレコーダーなどでは似たような機能はあるが、一般の電話ではこの「巻き戻り的録音機能」は過去には聞いたことがない。また、いざ「変だな」と思っても即時録音ボタンを押すのは至難のわざ。年中電話の内容を録音するわけにも行かない以上、シャープの主張である「思った時からさかのぼって録音できる」機能は非常にありがたいといえよう。

今機では「巻き戻り」能力は45秒間ということだが、これは論理的には内蔵しているDRAMの容量を増やせばいくらでも増やすことが可能。コストとの兼ね合わせもあろうが、今後さらに「巻き戻り」時間の長いものも出るかもしれない。