住金(5405)経営陣に裏金づくりで損害を受けたとして76億7000万円の株主代表訴訟へ

2006年06月20日 06:45

株式イメージ[このページ(Sankei Webなど)は掲載が終了しています]によると【住友金属工業(5405)】が建設したごみ処理プラントをめぐり、大阪国税局が約41億円の所得隠しを指摘した問題で同社の株主ら4人が6月19日、当時の経営陣9人を相手取り、「違法行為を見逃した上に情報公開義務を怠り会社に多大な損害を与えた」として合計76億7000万円ほどを会社側に支払うよう求める株主代表訴訟を大阪地裁に起こした。

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提起したのは市民団体の【株主オンブズマン】の代表ら株主4人で、訴えられたのは下妻博代表取締役会長ら現、元取締役9人。元記事によると住金は合計で34億円もの裏金を作ってプラント受注の裏工作資金に流用。さらに大阪国税局から指摘を受けた際にその流用先の公開をかたくなに拒んだ結果「使途不明金」と認定されて追徴課税分などを合わせて32億9460万円を税金として支払った。この両金額が会社の損害にあたると主張し、会社への支払いを求めている。

「莫大(ばくだい)な金銭の使途を当時の社長らが知らないというのはありえず、支出を認めた行為は取締役の注意義務に違反する」とし、「仮に知らなかった場合でも6年間にわたり使途も分からなかったのは重大な過失」としている。一方住金側は「まだ告知をうけておらず訴状の内容も見ていないのでコメントできない」とのこと。

使途不明金の詳細について証言を拒んだのは業界の慣習や今後の付き合い、そして実行した経営陣自身の立場からのものだろう。とはいえ、不当行為・税制上の違法行為であることに違いは無く、支払認定額はともかくとして当時の経営陣の責任はまぬがれ得まい。よもやありきたりな言い回しのように「現場のスタッフが、当時の担当者が勝手にやったことであずかり知らぬこと」と説明し、責任回避でもするつもりだろうか。

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