ガイアックス(3775)など、コミュニティサイトの運営代行サービス「community-cruise」開始
2006年06月14日 12:45
【ガイアックス(3775)】と【フォースクーナ】は6月12日、コミュニティサイトの運用に関する提携を行い、【community-cruise】のサービスを開始すると発表した(【発表リリース】)。
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この「community-cruise」は、mixiなどに代表されるソーシャルネットワーキングサイト(SNS)や一般のブログへのコメント・トラックバックなど、各種ネットコミュニティ上における不適切な書き込みを監視し対処することで、そのコミュニティにおけるモラルや安全性の低下を防ぐとともに、コミュニティを運営する会社そのものの信用失墜を回避するもの。
サービスはウェブサイトの運用だけでなくシステムの運用に関するサポートもあり、具体的には
●ウェブサイトの運用
・投稿監視
・ナビゲーター
・メールサポート
●システムの運用
・稼動監視
・運用代行
・レンタルサーバー
●その他オプション
・インフォメーション作成
・定形外レポート
・サイト改善提案
・FAQ作成
・独自基準/独自テンプレート作成
・システム運用設計(運用フロー・手順作成)
などが挙げられている。
要はこれまでの通常業務でよくある「ネットシステムの運用管理」だけでは差別化がしにくくなったため、コミュニティのサポートにスポットを当てて、企業におけるコミュニティの価値を高めさせるお手伝いをしようという狙い。
とはいえ、「投稿監視」における不適切な投稿の報告や削除、レポートはこれまで他社のサービスでも存在するし有益(どんなフィルタを用いても最終的には人間の目と判断で監視しないと良質な環境の形成は不可能)ではあるし、「メールサポート」の内容は電話代行やテレフォンサービス(コールセンター)の業務内容とほぼ変わらない(媒体がメールになっただけの話)。
となるともっとも個性的であるはずの「ナビゲーター」業務だが、リリースでは
コミュニティの活性化のために、BBS、SNS、Blog等において、日記や記事あるいはコメント等の日々の書き込み業務を行います。
とその具体的業務内容が記載されている。つまりチームを組んで「サクラ」をおおっぴらにやることに他ならない。これについては賛否両論が出てくることだろう。
うまく話しが盛り上がり、場が活性化したり有益な流れになれば問題はない。結果として誘導されたのだとしても、当事者が満足すれば良い。だが、「ナビゲーター」による書き込みだというのがばれてしまったら、それこそ「社員かよ」「工作員、お疲れ様」「釣り師出て行け」などと叩かれ場は盛り上がるどころか盛り下がる。ましてや「そういうことを専門に行う」スタッフによるものだとわかれば、まさに「炎上」してしまい、別の意味で、つまりそのコミュニティ運営社にとっては望ましくない形で活性化してしまう。
少々状況は異なるが、【「プロモ」であって「ヤラセ」ではない、と……ソニーのマーケティングと「言葉のあや」】にもあるように、「踊らされていた」ことがわかった時の当事者らの怒りはうまくいった時の効用に倍するものがある。それはそのコミュニティだけにとどまらず、周辺サイトに波及する可能性も高い。
そのような事態が起きた場合、コミュニティ運営当事社や担当したcommunity-cruiseのスタッフはどうするつもりなのだろうか。そう考えるとリスクは決して少なくないと思われる。
本来こういうビジネスは、有効であることは間違いないが、こっそりとやるものであってリリースを出して大々的に喧伝するものではない。何度となく繰り返しているがこのようなものは「上手にだましてほしい」ものなのだから。
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