旭化成(3407)とクラレ(3405)の両子会社、共同で人工腎臓部品の会社設立
2006年06月02日 06:30
【旭化成(3407)】と【クラレ(3405)】は6月1日、旭化成の子会社で旭化成メディカルとクラレ子会社のクラレメディカルと共同で、人工透析に使う「人工腎臓」の中核部品「EVOH樹脂を用いた医療用中空糸膜」を製造する共同出資会社「A・Kメンブレン製造株式会社」を設立すると発表した(【発表リリース】)。海外を中心に需要が拡大している低価格クラスの人工腎臓に使う部品を作るという。
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新共同出資会社の資本金は4億9000万円で、両社が50%ずつ出資する。今月6月中に旭化成メディカルの人工腎臓組み立て地・大分県に隣接しており地理的に便利な、宮崎県延岡市に設立する。
クラレのEVOH樹脂(エチレン・ビニルアルコール共重合体)を原料に、血液から老廃物などを除去してきれいにする中核部品である「EVOH中空糸膜」を製造するラインを作る。投資額は約25億円。生産能力は年260万本で、2008年から稼働、最終的に年400万本まで生産能力を向上させる。
旭化成メディカルは現在人工腎臓シェア36%で首位。今回の合弁会社設立で低価格品を手掛けることにより、透析及び血液浄化治療関連製品の安定供給をより推し進めるだけでなく、生産設備の共同投資を行うことで事業を拡大する意図がある。
今件は簡単にまとめると「人工透析用の部品を共同して効率良くたくさん創る共同出資会社を設立した」ということになる。技術や生産設備の相互補完で生産力と効率を高め、人工透析用の商品をより多く、より安価に提供できる場を構築するのなら患者やその関係者にとって大歓迎な話に違いない。また人工透析人工は増加する傾向にあることを考えると、両社のビジネスにとっても決してマイナスになることはないだろう。
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