東京タワーが実は所有者の事業失敗で借金100億円の担保状態

2006年06月19日 06:00

東京タワーイメージ【asahi.com】によると東京、さらには日本のシンボルでもある東京タワーが100億円分の借金の担保に取られていることが明らかになった。東京タワーを経営する【日本電波塔】の社長だった前田福三郎氏がゴルフ場開発に失敗し、会社が債務の肩代わりを迫られ、タワーと敷地を担保に銀行から借金をしたのがきっかけ。損失は120億円を超えるという。すでに第二東京タワー(新東京タワー)の建設が墨田区で始まっておりこれは2011年度に完成するが、これが出来れば現行の東京タワーの収入は激減することが予想され、日本電波塔側では頭を痛めているという。

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東京タワーは公共施設かと思う人も多いだろうが(実際当方もそう考えいた)、それを管理し所有権を持つ日本電波塔はごく普通の民間会社。産経新聞を創業した前田久吉(ひさきち)参院議員(当時)が各界から協力を取り付けて、1958年に完成させている。東京近辺への放送電波送信という公共の使命を果たしつつ、各テレビ局からの賃貸料金で経営をまかなってきた。ところが久吉氏の子どもである前田福三郎氏がバブル期のゴルフ場開発で大ゴケし、多額の負債を抱えたのが今件のきっかけになった。

123億の負債を抱えた福三郎氏の債務保証を日本電波塔に求めた銀行に対し、日本電波塔は福三郎氏を社長から解任すると共に、東京タワー本体と敷地を担保に銀行から100億円を借り、自己資金の23億円を足して全額肩代わりした。ただ、この100億円のうち53億円はすでに返済したという(なおゴルフ場経営会社はすでに倒産。123億そのものはほとんど回収不可能)。

時代に踊らされていたから仕方が無いという考え方もあるが、バブル時代のスットコ経営陣のミスであの東京タワーですら借金の肩代わりをさせられていたとは、開いた口がふさがらないというか、腰を抜かしそうな話ではある。これがまだ(安定的な収入を得られるので)現状維持の方針を貫かれたから良かったものの、大規模な改築や解体をした方が収益上メリットがあると銀行が判断したら、東京タワーそのものが「ゴルフ場開発の失敗で姿かたちを変えたり無くなる」という、笑うに笑えない状況に陥る可能性もあったわけだ。実際、新東京タワーの建設・完成がもっと早ければ、そうなる可能性も低くはなかった。

東京タワーが存在する今日そのものは実は偶然のたまもので、その現実に感謝すべきなのかもしれない。

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