東京中野区でQRコードを使った「電子チラシ」を商店街で「配布」
2006年05月20日 08:30
[このリンク先のページ(tokyo-np.co.jpなど)は掲載が終了しています]によると【東京都中野区商店街連合会】は、携帯電話用のQRコードを活用した「電子チラシ」の配布実験を【国立大学法人名古屋工業大学】の開発成果を利用して行うことになった(【発表リリース】)。特定の店舗においてQRコードを利用すると、その店舗に関連する他店舗の「興味深い」情報を取得できるというもので、顧客側にも各店舗の比較ができるというメリットがある。
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この「電子チラシ」は、各店舗が店先にQRコードを貼りだすことで行われ、顧客は自分の携帯電話などでそのQRコードを読み取る。するとそのお店の情報だけでなく、「他の店」がその店にいるお客に向けたメッセージも読み取れるというもの。例えばあるお肉屋の「電子チラシ」を読み込むと「揚げ物にそえるキャベツが安いですよ」という八百屋の情報や、「うちでは今豚コマが100グラム80円で大特価セール中ですよ」という別のお肉屋の情報が表示されることになる。
IT技術にうとい人もいるであろう情報発信側(店舗側)の操作もそれほど難しくなく、携帯電話やパソコンで管理画面から特定のキーワードを打ち込めば、そのキーワードに関連するお店すべてに情報を発信できる(例えば「肉」なら「精肉店」などのように)。また、お客の都合を考えて特定地域に絞り込んで情報を送ることもできるという。
機能の詳細が記載されていないが、恐らくはQRコードには文字情報そのものではなく各店舗に対応したURLなどのみが掲載され、顧客側はそのURL経由で各店舗の簡易サイトにアクセスするという仕組みを採っているのだろう。そして各店舗はいくつかのキーワードでカテゴリー化され(例えば「●×精肉店」なら「豚肉」「牛肉」「コロッケ」などのように)、さらに検索エンジンのように紹介文などから該当する店の一覧が掲載され、情報を逐次発信できるようになるという仕組みと思われる。それほど難しいものではない。
今システムでは名古屋工業大学大学院の細川宜秀助手が開発した「細かなキーワードを入力しなくても地図上から地域情報を検索できるソフト」を応用している(恐らくは【時空間コンピューティング】だと思われる)
中野区側では、「ホームページだけでは、膨大な情報のなかで埋もれてしまう。ゆくゆくは防災情報などへも活用し、地域の掲示板として役立てたい」とコメントしている。
店舗側が自分の店へのアピールをしたいがためにスパム行為的な情報発信をしてしまわないかだとか、情報が多くなりすぎると顧客の注意が分散してしまい結局どの情報も使わなくなってしまうのではないかとか、色々気になるところはある。また、お客がわざわざ携帯電話で情報を積極的に入手しようとするのかという疑問もある。
だがそれらの疑問や不安点は知恵を働かせればある程度は解決可能だ。例えばスパム行為はプログラム的に制限を設ければすむことだし、携帯電話そのものの普及率は高いのだからあとは「QRコードで映し出された特定ページを見せると3%引き」のような特典を設けて動機付けをすれば良い。
また、元記事やりリースからだけでは分からないが、同システムをさらに推し進め、アマゾンやその他通販サイトによく見受けられる「お勧め機能」(提案型ビジネスモデル)を柔軟的に採用するとさらに便宜性も高まる。先の例なら「精肉店」でQRコードを読み込むと、「今日は牛肉が安いですからスキヤキなどいかがですか。スキヤキの豆腐は×●豆腐店で安いですよ」と表示されるように。さらにデータ入力は大変だが、比較サイトのように特定アイテムについて比較ができる機能もあると、少なくとも顧客にはありがたいだろう。
今システムが中野区商店街でどのように活用され評価を得たのか、続報に期待したいところだ。
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