店頭販売食品にも「アレルギー情報の提供」が必要との指摘

2006年05月29日 06:00

時節イメージ【NIKKEI NeT】によるとファストフードなどの外食店の店頭で調理・販売される食品の約3割に、アレルギー患者が食品名から推測しにくい「想定外」のアレルギー物質が含まれていることが、東京大学の今村知明助教授らの調査で明らかになった。このうち3分の1はアレルギー物質の使用表示すらなかったという。今村助教授は「アレルギー表示の義務がない店頭販売の食品にも情報提供が必要」と指摘している。

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調査は2004年から2005年、ファストフード店やコンビニエンスストアなど20社を対象に実施。販売しているハンバーガーや中華まんじゅうなど23種類81点の食品を実際に購入し、食物アレルギーの原因となる鶏卵、牛乳、小麦、そば、落花生の5品目が含まれているかを検査した。パンが小麦を含むように、明らかに原因物質の使用が想定されるケースは検査の対象外としているという。

当方(不破)の実体験の限りでは、少なくとも[マクドナルド(2702)] や【モスバーガー(8153)】【オリジン弁当(7579)】などでは販売している食品のアレルギー表示について、それぞれの公式サイトで情報を公開している。また、各商品にもアレルギーに反応しうるアレルギー物質が含まれているかどうかの表記が行われているところも多い。とはいえ、アレルギーとして反応する物質は多種多彩に渡り、その一方でそれらの情報をすべて掲示するのは事実上不可能。

たとえばハンバーガー店などで店頭メニュー上に詳細なアレルギー物質の有無の掲載を行うと、店頭メニューがアレルギー物質の有無だけでいっぱいいっぱいになってしまいかねない。企業によっては公式サイトに掲載しているアレルギー物質の一覧をファイル化し、店の中にいつでも閲覧出来る形で配しているところもある。

とはいえ、反応しうる物質が今後ますます増えるだろうことは間違いなく、いたちごっこも予想される。ここは一つ、アレルギー表記について外食産業界で共通したフォーマットを作ってQRコードなりバーコードなりICチップに盛り込み、店頭で購入する・選択する際にお客が独自に判断できるような「仕組み」を作って対処するしかないのかもしれない。


(最終更新:2013/09/18)

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