「薬服用時にグレープフルーツ厳禁」の原因物質特定
2006年05月22日 06:30
【NIKKEI NeT】によると、降圧薬やコレステロール降下薬をはじめ、さまざまな薬剤を服用するときにグレープフルーツやそのジュースを食さないよう指示されるが、その原因物質が特定された。研究結果が医学誌「American Journal of Clinical Nutrition」5月号に掲載されたという(【英語原文】)。
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グレープフルーツジュースなどを飲むと、薬の成分が血液中に取り込まれる効率が上がるため、用量や効果が増大してしまう。「薬の効果が高まるのだから良いではないか」とするのが素人考えだが、想定以上の効用は同時に副作用も増幅することに他ならず、時に危険なレベルにまで達することもある。
記事によれば、この「グレープフルーツの弊害」とされる原因は「フラノクマリン」と呼ばれる物質によるものとのこと。研究者らによれば、この原因追求によって、単に「薬を服用しても飲めるグレープフルーツジュースの開発ができる」というだけではなく、「さまざまな錠剤の生物学的利用態」、つまり「薬の効果をフラノクマリンでコントロールできる可能性」があるという。薬そのものの増量・減量をせずして、効果を左右できるとあらば、治療法も飛躍的に進歩することだろう。
もし研究成果がさらに進めば「フラノクマリンで作られた『効用促進剤』」なる錠剤も出来るのだろうか。
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