リハビリ向けのゲーム導入を行う福祉施設増加中
2006年05月21日 12:30
神戸新聞によると、もぐらたたきや太鼓の演奏などのゲームを、高齢者のリハビリに取り入れる福祉施設が増えてきたという。キーワードは「楽しむ」。企業側はビジネスチャンスととらえ、単なるゲームだけではなくお年寄りと会話をするロボットの開発も進めている。4月に施行された改正介護保険制度は「高齢者の運動・生活能力の低下を防ぐ予防」に重点を置いていることもあり、リハビリ用ゲームは今後注目を一層集めそうである。
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リハビリとゲームの相性のよさは前々から伝えられていたことではあるが、上記指摘にもあるように法律の改正でますますニーズが高まることが容易に推測される。企業側としても単なるビジネスチャンスとしてだけではなく、企業の社会的貢献やイメージアップにも役立つので、積極的に注力している。
元記事では大学病院の関係者の話として「(ゲームでのリハビリは)効率は悪いが、本人は楽しんでいる。苦痛を感じずに続けられ、機能が向上したことに大きな意味がある」という意見を取り上げている。単なる負担のかかる作業か、それとも自分自身が時間の経過を楽しみながらのリハビリかとでは、本人の精神的負担もかなり違うことだろう。いわば、「イヤイヤ文字がぎっしり詰まった参考書を読まされる」のか「自分から積極的に歴史漫画を読む」のかの違いといったところだ。
リハビリ向けの筐体ゲームといえば【ナムコ(現在はバンダイナムコ)(7832)】が一歩先んじている感がある。1985年から福祉事業を立ち上げ、現在では【福祉総合サイト ハッスル倶楽部】などにもあるように「バリアフリーエンターテインメント構想」のもと、まるで独自企業であるかのような本格的事業展開を行っている。
「ゲーム脳」だとかいう科学的に根拠もないイメージ的な扇動でゲームを否定する動きがある一方、ベストセラーとして今現在も売れ続けている『東北大学未来科学技術共同研究センター 川島隆太教授監修 脳を鍛える大人のDSトレーニング』をはじめ、「能力」ならぬ「脳力」の活性化が期待できる「知的ゲーム」は今一番の流行りものであるのも事実。また、【「脳を鍛える」川島隆太教授監修の学研調査結果本の中身を拝見】にもあるように【学研(9470)】などが「おもちゃやゲームで高齢者の運動・生活能力の低下を防ぐ」研究に力を入れるなど、ゲームやおもちゃの技術を有効活用する動きは広まっている。
高齢者人口が確実に増加するであろう将来をかんがみると、この分野におけるニーズはますます高まることだろう。
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(最終更新:2013/09/18)
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