ペーパーレス化を前に「株式を本人名義に」と証券保管振替機構などが啓蒙運動

2006年05月15日 06:30

株式イメージ【asahi.com】によると2009年から開始予定の上場企業における株式の電子化(ペーパーレス化)を前に、【証券保管振替機構(ほふり)】などが「個人が自宅などに保管している株券の名義を本人名義に書き換えるように」と呼びかけている。名義が以前の所有者のままで横着していると、電子化と同時に所有権を失う恐れがあるからだ(参照:【株券等の電子化に向けた「ほふり」の取組み】)。

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記事などによれば電子化の際、株券をあらかじめ証券会社を通じてほふりに預けていれば、株主の権利は確実に守られる。ネット証券で株式を購入した場合もしかり。だが個人が株券を直接保有する「タンス株」の場合は、株式の発行会社が株券の名義人の名前で管理し株主名簿に記載もしている。株式を相対取引で取得して名義を書き換えていない場合、発行会社は所有権の移転が分からず、電子化をした際に以前の所有者の名義で登録してしまう。

名義書換は手間がかかるが、証券会社経由でほふりを利用すれば株主本人の手続は不要となる。電子化は2009年1月を目標に準備が進んでいるが、導入直前は申し込みが殺到し遅滞が生じる可能性がないわけではない。ほふりは早めに対応するようテレビや公式サイトなどで呼びかけている。なお、電子化後は紙ベースの株式は所有権の担保にはならず、単なる紙切れとなってしまうので注意が必要(上場企業の場合)。

上場企業の株式を紙ベースで現在保有している投資家がそれほどいるとは思えないが、それだけに該当者はそれなりの資産を持っている可能性が高い。手続をおこたると大切な資産が鼻紙にしかならなくなってしまうかもしれない。ちょっとでも心当たりがあるのなら、言葉どおりタンスの中はもちろん、あらゆるところを探して紙ベースの株券を見つけ、手続を済ませてしまおう。

夏休みの宿題なら最後の日までにあげてもあまり大きな問題は無いが、株式の場合、「大きな問題が無い」どころか「大きな財産が無くなって」しまうかもしれないのだから。

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