ジョインベスト証券は証券会社大手の野村証券によるネット証券部門への足がかり的な子会社。社名にこそ「野村」の名前は冠されていないが、野村ブランドの絶大な影響力とノウハウで他のネット証券会社、特に専業系からはオープン以前の段階で相当恐れられている。特に先日【野村グループ(8604)のジョインベスト証券、100万円まで業界最安値水準の手数料900円で参入】にもあるように格安の手数料を発表してからは、各ネット専業証券も対応策を打ち出すなど、衝撃は大きい(例:【イー・トレード証券(8701)、さらに手数料値下げのキャンペーン実施。信用取引で最高300円/件】)。

公式サイトによれば5月28日から注文受付開始に伴い、5月22日からは保管振替機構を通じた株券の移管手続きが可能となる。他証券会社に口座を持っていてジョインベスト証券に移行したい場合は22日以降に手続をすることで、28日の注文受付開始に間に合うかもしれない。また、入金も22日から可能(ただし出金や入金確認は28日まで出来ない)。

公式サイトのコンテンツの充実性、口座開設プレゼントに初心者向けの冊子「知識ゼロからのネット株入門」のプレゼント、イメージキャラクターにPuffyを用いポスターを主要駅に貼りだし大規模な広報展開を行うなど、野村証券がこれまであまり重要視してこなかった層の個人投資家を、ジョインベスト証券で一斉に取り込もうという目論見が見て取れる。これでは同業他社が戦々恐々とするのも理解できよう。

気になるのはシステムツールなど各種機能の充実度、そして実際に注文を行う際の入力のしやすさとレスポンスの速さをはじめとしたシステムの安定性。開設直後は注文が殺到するだけに、「天下の野村」がどこまで安定したシステムを提供できるのか、気になるところではある。