「男たちの大和」のロケセット譲渡を広島県呉市が申し入れ、東映側も合意の意向
2006年05月12日 06:30
『中国新聞』が報じたところによると、広島県尾道市で公開された映画『男たちの大和/YAMATO』で使用された戦艦大和のロケセットが先日公開を終了し解体されるのを前に、呉市の【大和ミュージアム】では主砲身などセットの一部の無償譲渡を映画会社の【東映(9605)】側に申し入れたという。東映側も基本的に了承する意向を示しているとのこと。
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大和ミュージアムは1/10スケールの戦艦大和が収められていることでも有名な博物館だが、同ミュージアムが譲渡を希望しているのは、合成樹脂で造られた約二十一メートルの主砲身や合金製の機銃など大型セットのほか、機銃弾やマッチ、上陸札など撮影で使われた小道具も含め計64点とのこと。すでに希望一覧を提示しているものの、風雨などで損傷が激しく、塗装の塗り替えや修理が必要なものもあるという。譲渡は早くて8月ごろになる見通し。解体後の搬送、組み立てなどの費用は、ミュージアム側が実費負担する。
「砲塔」ではなくて「砲身」なのか、残念だな、という細かいツッコミはさておき。『男たちの大和/YAMATO』は戦艦大和の最後の戦いであり、同時に事実上帝国海軍の最後の本格的海上戦闘作戦でもあった菊水作戦にまつわるさまざまな人々の想いがつづられた映画で、今ロケセットはその映画撮影のために制作された。大和の艦橋から前部における実物大(190メートル、制作費約6億円)の広大なもの。撮影終了後の一般展示には一部方面から反対意見もあったが一概に好評で、入場者数は累計100万人を突破、経済効果は約100億円にも達したという。
公開終了後は解体される方向で話が進んでいたが、今回の大和ミュージアム側の提案で、少なくとも一部パーツについては半永久保存が行われることになりそう。先の記事でも書いたが、それこそすべてを保存し、さらに未完成部分も作り上げて「実物大模型」として呉の名物とするのもありではないかな、と思うのだが。
(最終更新:2013/09/18)
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