仕事中にちょっと口休め、江崎グリコが「お菓子専用ボックス・冷凍冷蔵庫」レンタルサービス開始
2006年05月11日 06:30
【江崎グリコ(2206)】は5月8日から京都府京都市で「オフィスグリコ」のサービスを開始する。「会社でちょっと小腹がすいたときに、お菓子やアイスクリームを食べてもらい、お菓子などの需要の喚起にも一役立ててもらおう」とのアイディアから始まったとされるこのビジネスだが、「職場におけるリフレッシュメント提供サービス」として好評を博している。現在大都市圏を中心に展開しているが、7万件ほどの利用があるという(【参照記事:Fuji Sankei Business i】)。
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詳細は【オフィスグリコ公式ページ】にもあるが、オフィスグリコはいわば「富山の置き薬・グリコのお菓子バージョン」。職場に専用のボックスや冷凍冷蔵庫をグリコ側が無料レンタルで設置する。ボックスや冷蔵庫にはお菓子、アイスクリーム、飲み物などが入っていて、いずれも一個百円で買える。利用者は好みの商品を取り出して、代金の百円を備え付けのカエル(「買える」にかけた??)の貯金箱に入れる。この代金は地域に設置した販売センターの販売員が、原則週一回、職場を訪問して回収し、同時に商品を補充する。このあたりは「ヤクルトおばさん」の職場訪問販売に近い。
職場「の中(内)」という新しい市場と、30代から40代の男性という新しい顧客層の開拓を目的に、2002年3月に東京と大阪でスタートしたこのビジネス、現在全国に40センターがあり、売上高も順調に増え続け、2005年度で約20億円にまで成長した。また、お菓子市場はそもそも女性中心という傾向があるが、購入者の約七割が男性で、狙いはピタリと当たったようである。
現状打破のため、日本古来のビジネスモデル(富山の薬売り)と他ビジネス(ヤクルトおばさんなどの職場訪問販売)の良いところを取り入れ、既存ビジネス(コーヒーメーカーなどの職場提供)をもとにし、自社商品の特性にあったスタイルを確立する。新しい事業にはそれなりの障害もあっただろうが、工夫と地道な努力、そして消費者側の立場にたった新サービスの提供という新発想がなしえた成果だといえるだろう。また、新商品や市場動向のマーケティングリサーチにも使える可能性を秘めており、一挙両得といえる。
ただ、健康志向が強まる昨今、甘いお菓子を提供するだけでは今後色々と大変かもしれない。血糖値測定キットや健康志向の商品も将来は必要になることだろう。
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